伊之助さんが帰ってきた日 ページ17
カナ 「 A、…A
起きてA 」
『 ッハ!!! 』
カナ 「 起きた 」
『 あれ、カナヲちゃん… 』
呼びかける声に飛び起きれば、そこには少しだけ不安そうな表情をしたカナヲちゃんがいた
カナ 「 ここで寝てたの? 」
『 え… あ、ほんとだ… 』
辺りを見回せば、そこは蝶屋敷の玄関先
外はもう明るいから朝が来たのだろう
そうか私、昨日からここで伊之助さんを待ってていつの間にか…
『 あ!! い、伊之助さんは!? 』
カナ 「 伊之助ならまだ、帰ってきてない 」
『 そ、そんな 』
嫌な汗が伝う
だってもう朝よ
帰ってきていい頃じゃないか
カナ 「 A、きっと大丈夫だから 」
『 う、うん、』
カナヲちゃんに背中をさすられて、少しだけ安堵する
けどああどうか、早く帰ってきて
どれだけ傷を作っても、私が治してあげるから
『 伊之助さん… 』
不安でいっぱいな私は、その名を呼ぶので精一杯
ああ早く、いつもの大きな声で私の名前を
呼んで
「 ア!!? こんなとこで何してやがる!!! 」
『 うぅ… 遂に伊之助さんの声の幻聴まで聞こえるようになってしまった… 』
「 ハァ!? 」
カナ 「 A、伊之助だよ 」
『 へ、』
そう言われて、視線をあげれば
玄関を大きく開けて、堂々と仁王立ちする伊之助さんの姿
『 ッい、』
「 ? どうし、」
『 伊之助さんッッ!!! 』
「 ぉわッ、!? 」
もう、何だかわからない
ただ体が勝手に動いたの
私の全てが今、伊之助さんを求めていて
思い切り抱き着いた
「 な、お、おい…っ 」
『 し、心配したんですからね!!
帰ってくるの遅いじゃないですか…! 』
「 っ、」
反応に困ってるのか、何も返ってこないけどそんなのいい
ただここに、伊之助さんがいることだけでいい
『 本当に、よかった…ッ 』
「 お、おう 」
『 カナヲちゃん、伊之助さんが帰ってきた!!
て、あれ 』
「 あいつならどっか行ったぞ 」
気を、使わせてしまったかな
そこには私たち二人しかいなかった
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しゃび(プロフ) - 羅門茶.さん» コメントありがとうございます。一気読みしていただけて嬉しいです!伊之助が大好きなのでその気持ちを爆発させて書いた小説なので個人的にも思い入れの深い作品になっています。嬉しいお言葉もありがとうございます! (2020年6月1日 22時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
羅門茶.(プロフ) - 素晴らしい作品で一気読みしてしまいました(T ^ T)この作品大好きです、、 (2020年5月23日 15時) (レス) id: efacd8ff92 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - Znさん» コメントありがとうございます。恋愛に対して不器用で可愛らしい伊之助を書きたかったのでそう言って頂けて嬉しいです...!嬉しいお言葉ばかりありがとうございます。他の作品も拙いものばかりですが少しでも楽しんで頂けたら幸いです。 (2020年3月10日 10時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
Zn(プロフ) - 本当に素晴らしい作品に出会いました!!もう毎話毎話伊之助の可愛さに震えてました、、他の小説も読んで見ようと思います。 (2020年3月8日 21時) (レス) id: 5d97af5082 (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - 饅頭さん» コメントありがとうございます。神だなんて勿体ないお言葉ありがとうございます...!思い出深い作品なのでそう言っていただけてとても嬉しく思います。完結してる作品ですが、暇な時にでも読み返して貰えたら幸いです! (2020年3月2日 11時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃび | 作成日時:2020年2月7日 18時