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大広間には既に沢山の魔法使い達が椅子に腰掛けていて皆がネロの作る朝食を待っているようだった。
「 お待ちどうさん 」
そう言いながらネロは他の魔法使いと共に皆んなの元へ朝食を置いていく。あれ…私の所へ中々来ないな。
もしかして…ハブられてる?
魔法使いってやっぱり人間が嫌いなんじゃ…
そんなことをグルグルと考えていると
「 はいよ、待たせちまったな 」
二人分の朝食を持ってネロが傍に立っていた。
私の前にお皿を置くと、ネロは向かいの椅子に座る。
「 ありがとうございます 」
待ち切れなくてパンをちぎって一口食べれば、ふわふわで暖かい味が広がった。
「 美味しい…!このパン凄く美味しいです! 」
「 そうか、上手いって言ってくれるだけで俺も満足だよ 」
「 ネロは料理が上手なんですね! 」
日本で食べていた物と少し味は変わっているけれど、凄く美味しくて食べるスピードが止まらない。
そんな私の様子をネロはテーブルに肘を付き、そこに顔を乗せて見つめていた。
「 ど、どうかしましたか…? 」
「 いや、さっきは…悪かったな。あんたを傷付けちまっただろ 」
「 何かされましたっけ…? 」
「 ほら、手伝うって言ってくれたのを…適当にあしらっただろ、 」
嗚呼、言われてみれば… でもあれはネロが忙しそうで不慣れな私が加わってもかえって迷惑になるのかと自己完結してしまった事だ。
「 俺は…あまり人と関わるのが好きじゃないんだ。こうやってあんたを傷付けたり、するのが嫌でさ 」
「 そんなことないですよ… 」
「 それに、俺は傷付きたくないんだ…対人関係で、ずるい奴って思ってくれて構わない 」
俯きながらぽつりぽつりと話すネロに、何だかとても共感してしまう。人間関係も似たようなものだ。
「 ネロは十分優しい人だなって分かりました 」
「 ……俺の話、聞いてたか? 」
「 勿論です!相手の事も自分の事にも気を配ろうとするネロは素晴らしいと思いますよ 」
私がそう言えば、ネロは俯いていた顔を上げて私と初めて真っ直ぐに目を合わせた。
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rufu(プロフ) - No.3さん» お返事遅れてしまい申し訳御座いません…!ありがとうございます!モチベになります、嬉しいです…! (2023年1月29日 0時) (レス) id: e99adfba6e (このIDを非表示/違反報告)
No.3(プロフ) - カインが天才的にイケメンしてる…書き方上手ですね!! (2022年7月7日 7時) (レス) @page26 id: 5d07dd0044 (このIDを非表示/違反報告)
rufu(プロフ) - *ゆきうさぎ*さん» お返事遅れてしまい申し訳御座いません…!ありがとうございます!とても嬉しいです…!更新も出来ればと思っています。ありがとうございます…! (2021年6月14日 22時) (レス) id: ec4581993d (このIDを非表示/違反報告)
*ゆきうさぎ*(プロフ) - すっごく好きです…!!最近まほやくにハマったのですが、まほやくの夢小説ってなかなかなくて…。更新いつまでも待ってます…! (2020年7月14日 14時) (レス) id: f13975ef27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:rufu | 作成日時:2020年2月16日 2時