優しさの衝突____Nero ページ6
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窓から差し込む日の光で目が覚めた。
「 夢じゃなかった… 」
昨日まで寝ていた自室では無く、見慣れない部屋にいる事に、また現実なのだと実感する。
もう皆んな起きてるのかな…
部屋に置いてあるシャツ、セーター、その上にローブを身にまとって鏡で身なりを確認する。ローブ着てると魔法使いっぽくて素敵だな…
部屋を出るなりキッチンへ行くと、エプロンを着た青年が魔法を使わずに朝食を作っていた。いい香りが部屋中を包み込んでいる。
「 ……ん? 」
気配に気づいたのか彼はこちらを振り返った。
「 あ、すみません…勝手に覗いて、」
「 いや、いいよ……あんた、昨日空から降ってきたっていう例の人間か? 」
「 そうです…昨日自己紹介させて頂いた者です!」
私がそう言えば彼はバツが悪そうに目を左右に逸らした。
「 あー…悪いな、俺は昨日その場に居なかったんだ 」
「 そうなんですか 」
言われてみれば、昨日一人一人の顔を見たはずなのに、この人は見た記憶が無い。
「 改めまして、名前はAです。ご迷惑お掛けする事もあると思いますが、元の世界へ帰れる日までよろしくお願いしますね 」
「 こちらこそ…俺は東の魔法使いのネロだ。ここでは毎食俺が料理を作ってる。まぁ、よろしくな 」
ネロはそう言いながら器用にフライパンでベーコンを焼いている。
「 毎食…ですか、何かお手伝いしますよ!」
「 いや、気持ちだけ受け取っとくよ… 」
私と目を合わせずにそう言うネロは、素早くベーコンをお皿に移して、仕込んで置いたのであろうパンを焼き始めた。
私みたいな人間がいても迷惑をかけるだけだろうか…
「 そうですよね、お邪魔してすみません 」
私はそう言ってキッチンを跡にした。
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rufu(プロフ) - No.3さん» お返事遅れてしまい申し訳御座いません…!ありがとうございます!モチベになります、嬉しいです…! (2023年1月29日 0時) (レス) id: e99adfba6e (このIDを非表示/違反報告)
No.3(プロフ) - カインが天才的にイケメンしてる…書き方上手ですね!! (2022年7月7日 7時) (レス) @page26 id: 5d07dd0044 (このIDを非表示/違反報告)
rufu(プロフ) - *ゆきうさぎ*さん» お返事遅れてしまい申し訳御座いません…!ありがとうございます!とても嬉しいです…!更新も出来ればと思っています。ありがとうございます…! (2021年6月14日 22時) (レス) id: ec4581993d (このIDを非表示/違反報告)
*ゆきうさぎ*(プロフ) - すっごく好きです…!!最近まほやくにハマったのですが、まほやくの夢小説ってなかなかなくて…。更新いつまでも待ってます…! (2020年7月14日 14時) (レス) id: f13975ef27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:rufu | 作成日時:2020年2月16日 2時