誘惑＿＿＿＿Figaro ページ4
＿＿＿＿
と言っても全く眠りに着くことが出来ない私は、ぼうっと天井を見つめていた。
自分が今、魔法使いのいる世界に来ただなんて…寝て起きたら夢だった＿＿＿＿なんてオチになりそうな位信じられない。
「 駄目だ…落ち着かない、、」
来たばかりの人間が勝手に出歩きしては駄目なような気もするけど、不安定な心象で部屋にいるのもどうにかなりそうで…
部屋から通った道を戻って適当に歩けば、噴水のある庭へと辿り着いた。
辺り一面に広がる星空を眺める。
「 ほんとに大きな月だな… 」
冷たい風が頬に触れて気持ちいい。
「 あの月は、私が元いた世界で見ていた月と同じなのかなあ… 」
「 さあ、どうだろうね…？ 」
「 …っ！？ 」
耳元のすぐ近くで声が聞こえて、転びそうになった私は思わず地面に手を付いてしまった。咄嗟に振り返れば、先程私に話しかけてくれたお医者さんの魔法使いが佇んでいる。
「 おっと、吃驚させちゃったかな 」
首を傾げながら、此方を見て笑顔を見せている。
なんていうか…迫力というか、底知れない何かを感じる。
「 掴まって 」
目の前に差し出された手に躊躇いながら手を重ねれば、思っていたよりも大きな力で手を引かれた。
「 うわっ！？ 」
その勢いで彼の胸元に思いっきり飛び込む形になってしまった… ど、どうしよう、殺される…？
「 ご、ごめんなさい… 」
直ぐに離れようとするが、背中にいつの間にか手が回っていて、出る事が出来ない…
「 いいのに 」
「 ……それとも嫌かな？ 」
全てを見透かしている様な視線が上から注がれる。
「 い、嫌というか…申し訳無いというか… 」
「 そう？このまま抱き締めてあげてもいいのに 」
「 だっ！？ 」
まだ出会って間もないのに…魔法使いの距離感ってこんな感じなのかな…
ほんのり香る薬草の匂いと、背中に回された腕の暖かさにそろそろ恥ずかしくなってくる…
「 赤くなってる…かわいいね 」
「 っ、あの、す、すみません…もう、 」
この異様な空気に耐えきれない私は精一杯の力で彼の胸板を押し返した
「 ははは、ごめんごめん、少し意地悪だったかな？ 」
そっと腕から解放されて顔の熱をぱたぱたと冷ましている私を見ては笑っている。
「 少しというか…かなり、何ですけど… 」
不満そうに彼の目を見つめれば、また笑った。
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rufu(プロフ) - No.3さん» お返事遅れてしまい申し訳御座いません…！ありがとうございます！モチベになります、嬉しいです…！ (2023年1月29日 0時) (
レス) id: e99adfba6e (このIDを非表示/違反報告)
No.3(プロフ) - カインが天才的にイケメンしてる…書き方上手ですね！！ (2022年7月7日 7時) (レス) @page26 id: 5d07dd0044 (このIDを非表示/違反報告)
rufu(プロフ) - *ゆきうさぎ*さん» お返事遅れてしまい申し訳御座いません…！ありがとうございます！とても嬉しいです…！更新も出来ればと思っています。ありがとうございます…！ (2021年6月14日 22時) (レス) id: ec4581993d (このIDを非表示/違反報告)
*ゆきうさぎ*(プロフ) - すっごく好きです…！！最近まほやくにハマったのですが、まほやくの夢小説ってなかなかなくて…。更新いつまでも待ってます…！ (2020年7月14日 14時) (レス) id: f13975ef27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rufu | 作成日時：2020年2月16日 2時
