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____
彼の分の野菜ジュースをとグラスをもう1つ棚から引っ張り出して其れに注ぐ。ブラッドリーは私が差し出すグラスを躊躇しながら受け取った。
「 じゃあ、せーの、で飲みましょうね 」
「 …おう 」
ここに来てやはり飲むのが嫌になっているのだろう、ブラッドリーの声に威勢が無くなっている。
「 …せーの! 」
2人でグラスを傾けグイッと野菜ジュースを飲む。
味の方は____
「 っ、、まっっっっず!!! 」
「 うわぁぁ、全然美味しくない… 」
簡潔に言うと、凄く不味いし苦い。
あれれ〜?可笑しいぞ… お砂糖私入れたよね…
「 どんなもん入れたらこんな不味い飲み物が出来るんだよ!?ミスラしか飲めねぇやつだぞ 」
「 返す言葉もございません… 」
ブラッドリーは残った野菜ジュースをさっさと流して代わりに冷蔵庫から水の入ったボトルを取り出す。私も口直しに水を飲まないとこれは駄目だ…
しかし____
「 あ、無くなった 」
「 ……………… 」
この、未知の不味さをずっと口の中に残しておくのは辛すぎる。作った私が悪いんですけど…
「 いいですよ、お気遣いなく 」
ブラッドリーは完全に巻き込まれた被害者だから私に譲ってなんて言えない。仕方ないから紅茶か何か探そうかな… そう思った瞬間
「 ッ!?んむ!? 」
思いっ切り顎を大きな手に鷲掴みにされた。と、思いきやそれとは裏腹に優しく指で口を開かされる。
「 ぶ、ぶらっどり…っ!?んんっ、」
何かが口に当てられたかと思えば、一気に水が入ってきた。この世界の新鮮な水が、口の中に残る余韻を全て流している。
「 はぁ、っ……びっくりした、、 」
「 はは、口直しになったか? 」
意地悪そうに白い歯を見せて笑っている。
どうやら無理やりグラスの中の水を流し込まれた様だった。
「 あ、ありがとうございます…でも、ブラッドリーの分が 」
「 あ?あぁ…まぁ、俺はいいんだよ、」
「 で、でも私が巻き込んだせいですし… 」
「 っ…いいっつってんだよ、じゃあな。もうそんなモン作るんじゃねぇぞ 」
そう言ってそそくさと引き返していく。
心做しかブラッドリーの顔が赤かったのは気の所為だろうか。
____
「 あーっ、馬鹿な事した 」
言えるかよ、口移しするつもりで全部Aの口に流し込んだなんてよ。
「 ……はぁ、酒飲むか 」
貴方の事が____Rutile→←躊躇い____Bradley
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rufu(プロフ) - No.3さん» お返事遅れてしまい申し訳御座いません…!ありがとうございます!モチベになります、嬉しいです…! (2023年1月29日 0時) (レス) id: e99adfba6e (このIDを非表示/違反報告)
No.3(プロフ) - カインが天才的にイケメンしてる…書き方上手ですね!! (2022年7月7日 7時) (レス) @page26 id: 5d07dd0044 (このIDを非表示/違反報告)
rufu(プロフ) - *ゆきうさぎ*さん» お返事遅れてしまい申し訳御座いません…!ありがとうございます!とても嬉しいです…!更新も出来ればと思っています。ありがとうございます…! (2021年6月14日 22時) (レス) id: ec4581993d (このIDを非表示/違反報告)
*ゆきうさぎ*(プロフ) - すっごく好きです…!!最近まほやくにハマったのですが、まほやくの夢小説ってなかなかなくて…。更新いつまでも待ってます…! (2020年7月14日 14時) (レス) id: f13975ef27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:rufu | 作成日時:2020年2月16日 2時