眠れない夜には＿＿＿＿Mithra ページ16
＿＿＿＿
ある日の事。晶さんと一緒に図書室から部屋に戻っていた時の事だった。彼と別れ部屋に入るなり、私は絶句した。
｢ どうも ｣
そこにはミスラが私のベッドに腰を下ろしていた。
何故私の部屋に…？？
｢ み、ミスラ…？不法侵入はダメですよ！？｣
｢ …ノックはしました ｣
｢ ノックって…あれ、鍵をかけておいたはず、、｣
｢ はあ、返事が無かったので一度ドアを壊して部屋に入ってまた直しました ｣
｢ な、なんて強引な… ｣
面倒くさそうに目を伏せてそう言う彼。
しかしもう厄災が姿を見せている時間。
｢ 何か御用ならまた明日聞きますから…今日はもう遅いですし ｣
｢ 一夜を… ｣
｢ ……？ ｣
｢ 一夜を共にしてくれませんか…？ ｣
｢ ………？？？ ｣
｢ 聞いてます…？ ｣
ミスラが何を言ってるのかよく分からない。
一夜を…？共に…？
｢ オールするのは身体に毒じゃないですか？ ｣
｢ はあ、よく分からないですけど…俺と一緒に寝て下さい ｣
｢ えっ、それは… ｣
元の世界でそれなりに過ごして来た私だけれど
この世界の賢者の魔法使いさん達は顔が整っている人達ばかりだということは理解している。
しかもミスラはなんて言うか…気だるげなのにどこか色気があるというか、、
上手くは言えないけどこういう事をしたらいけない気がする…
｢ 眠れないんですよ… ｣
｢ あ、そう言えば大いなる厄災の傷、、ミスラは寝付きが悪くなるって聞きました… ｣
｢ なら話は早いですね、俺と一緒に寝て下さい ｣
長い腕が私の方へと伸びてくる。
｢ ま、待ってください…！何故私が一緒に寝るという思考になるんですか？ ｣
｢ 前の賢者様が確か…女性と一夜を明かすとよく眠れると ｣
｢ ま、前の賢者様が… ｣
｢ ええ、だから寝て下さい。女性で独り身なのは生憎貴方しか魔法舎に居ないでしょう ｣
独り身って… と少し呆れるがそれよりも
変な知識を吹き込む前の賢者様にも少し呆れてしまう
｢ 私と寝るより羊を数えた方が寝れますよ ｣
｢ それはやりました ｣
｢ ……やったんだ ｣
｢ 1万1752匹目を数えた時に朝日が昇りました ｣
｢ ……もうそれは逆に凄いですミスラ、、｣
何か他に眠れる方法はと考える私に痺れを切らしたのか、ミスラはベッドから立ち上がり私を見下ろす。
その無機質な瞳が揺れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 216人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rufu(プロフ) - No.3さん» お返事遅れてしまい申し訳御座いません…！ありがとうございます！モチベになります、嬉しいです…！ (2023年1月29日 0時) (
レス) id: e99adfba6e (このIDを非表示/違反報告)
No.3(プロフ) - カインが天才的にイケメンしてる…書き方上手ですね！！ (2022年7月7日 7時) (レス) @page26 id: 5d07dd0044 (このIDを非表示/違反報告)
rufu(プロフ) - *ゆきうさぎ*さん» お返事遅れてしまい申し訳御座いません…！ありがとうございます！とても嬉しいです…！更新も出来ればと思っています。ありがとうございます…！ (2021年6月14日 22時) (レス) id: ec4581993d (このIDを非表示/違反報告)
*ゆきうさぎ*(プロフ) - すっごく好きです…！！最近まほやくにハマったのですが、まほやくの夢小説ってなかなかなくて…。更新いつまでも待ってます…！ (2020年7月14日 14時) (レス) id: f13975ef27 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：rufu | 作成日時：2020年2月16日 2時
