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「亮ちゃん、新入部員結構いてたで。はよドラム志望の子見に行こう？」
マルはいつも明るい。でもいつからか…いつも何かを我慢しているように苦しそうやった。
「お前、そんなに急ぐなって！」
そんなマルが時々見せるようになった輝く笑顔。俺にそんな輝いた笑顔を見せるな。お前は…マルは俺のもんやって思ってたのに。
「亮ちゃん？」
恋愛感情なんかじゃないって、自分に言い聞かせてた。女と遊びまくって、俺は普通なんやって、自分に言い聞かせる。でも…虚しいだけ。こいつのこの笑顔があの人のもんやって思ったら、悔しくて、悲しかった。
「あ、メール…」
マルがスマホを確認する。画面を見たマルが分かりやすくときめいた顔をする。先輩らが卒業してから、週末のマルはこんな感じ。お誘いのメールが来るんやろ。
「どうした？」
わざと聞いてみる。そしていつもこいつはすごく切ない瞳をして答えるんや。
「何もないよ。」
何もないわけない。今日も帰って来ないんやから。信ちゃんのところ行くって、また微妙な嘘をつくんや。そんなもん…父さんにはばれるのに。でも…そうなんかな。何もないよって…実はめちゃくちゃ重たい言葉なのかもしれん…
「マル！亮！ええ奴おった！」
ヤスが連れてきたのは長身のイケメン。
「あ、こんにちわ…」
「大倉くんやて。大倉忠義。」
「あ、どうも…」
「あっ！たっちょんや！！」
「たっちょん？」
「え？」
「ゴッドシティで会ったの覚えてない？」
「え…もしかして…マルちゃん…？」
「やっぱり！亮ちゃん、たっちょんやん！」
「は？俺、知らんけど。」
「ほら、迷子さんや。めっちゃ泣いてて。」
「迷子？」
「マルちゃんやぁ！お礼が言いたくて頑張って探したけど見つからなくて。すごい偶然やんかぁ！」
「ほんまに！」
なんやこいつ。マルと親しげに話しやがって。たっちょん…たっちょん？
「あ！あの泣きじゃくっとった奴か！」
「ちょっと…恥ずかしい。」
まだ幼い時やったけど、２人で街に出て警護に追いかけられながらはしゃいどった時、迷子を発見した。そんなに歳も変わらへんのに、マルは泣きじゃくっとったこいつをあっという間に笑顔にして、保護者を見つけ出したんや。たっちょん、マルちゃんて呼びあって、楽しそうにしとったわ。マルってそんなことまでちゃんと覚えてんねんな。
「そうかぁ。俺、見学に来たときに、渋谷さんを見てすごいなって思って。」
「あぁ！…でもすばるくんは…」
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orange(プロフ) - ありがとうございます！コメントをいただけてとてもうれしいです。更新、少しのんびりしますが、よろしくお願いします☆ (2021年4月24日 18時) (
レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
akao(プロフ) - はじめまして^_^いつも更新楽しみにしています☆2人がどうなっていくのかワクワクしてます^_^これからも更新無理なく頑張ってください^_^ (2021年4月21日 19時) (レス) id: 078dcaab9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：orange | 作成日時：2021年3月21日 20時
