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病院から帰ってきた。なぜかとても不安で寝付けない。何とか夜を過ごし、朝、亮ちゃんに電話をする。

『お客様のおかけになった電話は…』

「え…」

何度かけても同じ。

「マルっ!」

マルの携帯からも同じ放送が流れる。

「嘘や…」

急いで着替えて病院へ行くけど、病室はもぬけの殻。そのまま自宅へ行くけど、誰も答える人はおらず、人のいる気配もない。

「何これ…」

ボーゼンと立ち尽くす。俺の前からマルがいなくなった。マルのいない世界。あまりにも恐ろしくて体が震える。あぁ…俺…こんなにもあいつのこと想ってるんや…。でももう俺に出来ることなんてないってことやんな…。これからも頼むってなんやったんや…。

「マル…」

仕事があるのに、涙が止まらなくて動けない。何とか車に乗り込んで家に帰る。体調不良を伝えてベッドに潜り込んだら、自分でも驚くほどの声をあげて泣いた。

「マル…」

自分の腕に抱きしめて、マルを慰めたことを思い出す。あの時のふれるだけのキス。忘れられへん…忘れられへんのに。

それから俺は一週間、仕事に行くことができなかった。心配した父親が伝手を頼って調べてくれた結果、マルがゴッドシティに戻っているらしいことだけわかった。でも、それも確信を持てるものではない。

「忠義…」

「ごめん…父さん…」

「隆平くんのこと、お前…」

「ほんまに…ごめん…」

「…なんで謝るんだ?お前は何も間違ったことしてない。それだけ想える相手がいるんだ。素晴らしいことじゃないか。」

「でも…男やで…」

「息子の選んだ相手にケチをつけるような親だと思われてたなら心外だな。」

「父さん…」

「とりあえず、普段の生活を取り戻せ。そこからまた考えよう。」

「ありがとう…父さん。まさか父さんに恋愛相談するとは…」

「はは。さ、飯でも食おう。」

それから一月以上が経った。マルがいなくなってから、天気がものすごく悪い。

「すごい雨や…」

ここ最近はほんとに酷くて、山あいでは地滑りなんかも起きているし、川の氾濫も心配されるようになってきた。さらには大型の台風まで近づいてる。

「えらいことになってんなぁ、お前、大丈夫なんか?」

ヤスが俺のことを心配してしょっ中連絡をくれる。仕事で関わることの多い信ちゃんや横山くんも、まめに晩飯に誘ってくれて励ましてくれた。

「俺らも探ってみるわ。」

マルのことを好きやって言っても、なんの偏見もなく受け入れてくれる仲間たち。

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orange(プロフ) - ありがとうございます!コメントをいただけてとてもうれしいです。更新、少しのんびりしますが、よろしくお願いします☆ (2021年4月24日 18時) (レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
akao(プロフ) - はじめまして^_^いつも更新楽しみにしています☆2人がどうなっていくのかワクワクしてます^_^これからも更新無理なく頑張ってください^_^ (2021年4月21日 19時) (レス) id: 078dcaab9a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:orange | 作成日時:2021年3月21日 20時

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