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そろそろ1週間が経とうという頃、親父と今後のことについて話をする。
「まだ信じられへんわ、お前が俳優やなんて…まぁ、俺に似て男前だとは思っていたが…」
「は?あ、電話や…もしも…」
『亮ちゃん!!マルの部屋!!』
「なに!?親父!!」
大倉からの電話。一言聞いて部屋まで駆け上がる。
「マル!!」
えづいてうずくまっているマル。なんか食べたんか?
「おい!!救急車!!」
バタバタと数人が部屋に来て血相を変えて動き出す。誰や…?誰がこんなこと…
「マルっ!マル!わかるか?」
「りょ…ちゃ…たっちょん……」
「ん、大丈夫や。わかってる」
「苦し…グッ…オエッ…」
「隆平様、全部吐いてください!」
親父が背中を促すようにさすると胃の中のもんが出てくる。机の上にお菓子の包み紙。これ…俺宛に置いてあったやつや。なんでマルが…
「こっちです!はやく!」
救急隊員がやって来てすぐに病院に向かう。状況を説明しつつ大倉にも連絡を入れる。
「久しぶりに電話したくて…それで…」
「わかった。お前の連絡がなかったらほんまにやばかったかもしれん…。」
「亮ちゃん…」
「とにかくお前が事故ったらあかんから、落ち着いてゆっくり来い。」
「でも…でも…意識はちゃんとあんの?」
「今は気を失ってる。とにかく心配やったら落ち着いてこっちに向かえ。」
「はぁ…わかった。」
処置を終えたマルは、病室で穏やかな顔で眠ってる。すぐに吐き出したのがよかったのと、即効性の命に関わるような毒ではなかったから、しばらく休めば大丈夫らしい。ほっとして座っていると、ドタドタと走ってくる音が…
「え…なんやろ?」
緊張して身構えた次の瞬間、ドンッと病室の扉が開く。
「マルっ!!」
「あ、大倉…」
「マルっ!嫌や!マルっ!」
「え、あれ…大倉…おい…」
「マル!目ぇ開けて!マルー!」
寝ているマルに抱きついて叫び出す大倉。連絡忘れてた。いや、大丈夫やし。俺に気づけよ。
「大倉…あの…」
「ンッ…」
「ハッ!」
「ンンッ…たっちょん…?」
「マル!!起きた!!マルー!」
また叫んで思い切りマルに抱きつく大倉。なんかだんだんうるさなってきた。
「たっ…ちょん…痛い…」
「あ、ごめん!大丈夫?」
そっと腕を離す大倉。マル…めっちゃ真っ赤や。
「えと…」
「大倉、うるさい。」
「え、あ、亮ちゃん。おったん?」
「はぁあ?」
「こわっ!全然気付かんかった。」
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orange(プロフ) - ありがとうございます!コメントをいただけてとてもうれしいです。更新、少しのんびりしますが、よろしくお願いします☆ (2021年4月24日 18時) (レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
akao(プロフ) - はじめまして^_^いつも更新楽しみにしています☆2人がどうなっていくのかワクワクしてます^_^これからも更新無理なく頑張ってください^_^ (2021年4月21日 19時) (レス) id: 078dcaab9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:orange | 作成日時:2021年3月21日 20時