偶然か必然かわからぬまま ページ17
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「どーーん！」
ここはスタジオ前の廊下。
休憩中に飲み物を買おうと自販機へと足を運んだ
飲み物を選んでいると後ろから可愛いらしい声と共に小さな衝撃が。
こんなことをする女の子は、想像がつくのは1人。
「……なに、Aちゃん」
「へへ、よく私ってわかりましたね！」
「飛びついてくるのAちゃんくらいじゃん」
「えー、飛びつかなきゃよかった。」と口を尖らせる彼女。
「可愛くだーれだ？とかの方がよかったですか？」なんて言っているけれど
「どっちもやだ(笑)」
「あ！ひどい！！何したらびっくりするんですか？私、内山さんのこと脅かしたいんですけど」
「…それ本人に言うのどうなの？(笑)
あと俺Aちゃんが何してもAちゃんだって気付く自信あるよ」
「えー！なんでですか！？」
「…秘密」
「ええ、気になる」
教えてください！ってきゃんきゃん吠えてるけれど
君は香水とかじゃない、自然な甘い匂いがするから分かるだなんて。
Aちゃんには絶対教えてやんない
「……寒そう」
「ふふ、生足どうですか？」
「言い方やだわ〜」
「可愛い？」
「可愛いけど寒そうが勝つ(笑)」
綺麗に染められていた髪色は落ち切ってしまったのか気づけば金髪に。
見た目は完璧にギャル。
見ているだけでこっちが寒くなる彼女に自販機で買った温かい飲み物を差し出すと「いいんですか！」と目を輝かせる。
中身は相変わらず可愛い女の子だ
「Aちゃんお腹薄くない？臓器入ってる？」
「お腹薄いってなんですか、同じくらい細いじゃないですか」とケラケラ笑っているけれど同じ臓器が入っているとは思えないくらい細いというより薄い。
「内山さん、私ご飯食べに行きたいなぁ〜」
「えぇ〜、今日？」
「だめ？」
ちょっと上目遣いで俺を見上げるAちゃん。
自分の武器を分かっててやってるのだからずるい子だ。
「……しょうがないなぁ」
それを理解しておきながらまんまと引っかかる俺は多分、相当彼女に弱い。
「やったー！みんなに自慢しちゃお」
「そんないいもんじゃないでしょ(笑)
Aちゃん何時に終わるの？」
「よじ！」
「同じくらいだ、じゃあまた連絡する」
「はーい！リテイク出さないように頑張ります！」
「はいはい」
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作者名：凜 | 作成日時：2022年11月13日 21時
