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そこから更に1時間が経過したところ。
いつもならターゲットをコロコロと変え、全員をノックアウトさせているのだが今日は未だ梅原の隣から動かない。
「Aこっちおいでよ」と石川が誘っても「今日はうめはらさんの日」らしい。
隣に座る犬飼は梅原の指に自分の指を絡めた。
「ふっ、なんだよ」
「んー？かっこいいなぁって」
「Aは可愛いな」
…あまい、
犬飼は酔うと記憶を飛ばす。
それを良いことに、ここぞとばかりに甘い言葉を放つ梅原。
「何あの2人！」
「甘い雰囲気出すな！！」
「顔が良くて悔しい！」
……野次も数名いるが。
それをお構いなしに「へへへ」と楽しそうに笑う酔っ払いと、ご満悦そうな梅原。
そしてこの酔っ払いの1番の悪い癖は
隣に座る梅原の上に跨るようによじ登り
「…ちゅーする？」
相当なキス魔になる
まぁ、ちゃんと全て未遂で終わるが。
「チューする？」と自分から煽っておきながら顔を近づけると「だめ！！」と口を塞いでくる
それも含めてタチの悪い酔っ払いなのだ。
深いため息をついた後、時間を確認しようと携帯を開いた梅原に
「…、私がいるんだから携帯なんて触らないで！」
そう言って梅原の手の甲をつねる犬飼。
「くそぅ、俺もアレされたい」
「可愛い！」
「あざとい！ずるい！」
「羨ましい、！」
そう野次を飛ばす4名は放っておき、
「はいはい、ごめんごめん」
「もーわかってないなぁ」
1時間半経った飲み会も、ここまでタチの悪い酔っ払いがいると、犬飼以外はあまり酔っていないようだ。
「なんか俺らわんちゃんに振り回されてるわ」
「いつものことじゃないですか(笑)」
そう零した江口と石川に
「みんなAに振り回されとけばいーの！」
結局全員をノックアウトさせた犬飼。
あぁもうどこまで小悪魔なんだ。と全員が意見を揃えた
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作者名：凜 | 作成日時：2022年11月13日 21時
