二十六話 ページ28
「やっ、やめろぉ！！やめろおおお！！」
ベットの上で取っ組み合いをしているのは、大柄の男と何やらカツラを無理やりつけられた男。大柄の方はリーチ兄弟の仲の問題児、フロイドだ。「おい抵抗すんな！」とやや強引にAの腕を締め、軽めに占めているつもりなのだがAは骨がギシギシとなるのを感じ、「ギャッ！」と悲鳴を上げる。
「ちょっと！そんな抵抗しても痛いだけだよ？」
「痛いから抵抗すんのは人間の性質だろうがッ！！何が好きこのんでこんなヒラヒラな服着ないといけねぇんだよ？！！」
俺の抵抗する腕を掴み、今の現状の要因であるエペルがやや本気に額に汗をうかべて檄を飛ばす。
さて、何故こんなにも抵抗するのかだ。今の俺は女装趣味がエペルにあるのかなんなのか、アラビアンのような腹が開いてるヒラヒラな水着のような服を纏っている。幸運にも下の方はぶかぶかのズボンだが、カツラのせいで視界は鈍く、布の面積が少ない服を纏う習慣は今までなかったので不自然で仕方が無い。
エペルに誘われて部屋に入ってみれば、目の前いるのはあのリーチ兄弟。嫌な予感が脳裏に走り、部屋から逃げようとするも、フロイドに腕を掴まれ今のありさま。
いきなり女装されたかと思ったら、「はい、今度はこっちー」とグイっとフロイドに顎を掴まれる。
「なにすんだ！！女装趣味なんて俺にはねぇよ！」
「ねぇー、今口紅塗ってんの。喋ったら失敗するかもよぉ？マジで怪我するから喋んな」
そう鼻先が触れ合う距離でドスの利いた低音で囁かれる。こればかりは危険なため、不服ながら終わるのをじっと待つ。手際がいいのかなんなのか、エペルとジェイドの協力により口紅を塗り終わったころにはほとんどのメイクが完成されていた。
「うん、中々いいんじゃない〜？」
「おやおや。中々魅力的な女性になったんじゃないんですかねぇ」
「めっちゃ綺麗だよA！！」
どこか満足げに俺を見つめる三人に内心舌打ちを零すがエペルがやや興奮気味に俺を鏡で見せてきた。
「あ……？」
そこには美女がいた。
肌は陶器のように白く透き通り、カツラで長くなった髪の毛一本一本が怪しく光沢を放っており、闇に溶け込むような黒い瞳は宝石をはめ込んだもののようで。
本当に化粧した俺なのか？と疑うくらいには立派な綺麗な女がいた。
「おや、何やら騒がしいと来てみれば……。エペルさん中々いいじゃないですか」
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レオ - とっても面白いです。続きが気になります。 (1月4日 8時) (
レス) @page48 id: 8c9a5c91e3 (このIDを非表示/違反報告)
夕闇柳 - たまたま30話見ていてカリムがカルムになっていました。 (11月25日 8時) (レス) @page31 id: a9dd4c9262 (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - ふぎょあ、完結されてるんですね…この作品、めちゃ好きです。まだ占ツクにログインしてなかった頃、読みまくってました笑 ねっとり様に届くか分かりませんが、更新、お疲れ様でした。ほんとに本当にこの作品がこれからも大好きです！！！！！！ (6月26日 7時) (レス) @page48 id: 154e73901c (このIDを非表示/違反報告)
ねっとり - 雨中猫さん» アカウントを作っていなので急遽この形ですが作者です。コメントありがとうございます。「命に嫌われている」素敵ですよね、番外編でも他の歌とかも書いてみたいので気長に待ってくれると嬉しいです (2022年2月5日 23時) (レス) id: ad0790befa (このIDを非表示/違反報告)
雨中猫 - 主人公ちゃんに命に嫌われている歌ってもらいたいです！ (2022年2月4日 19時) (レス) @page27 id: 79b86edfa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねっとり | 作成日時：2022年1月20日 16時
