二十二話 ページ24
そう学園長が距離をとりながら言うのをみて、どうやらこの状況をどうにかせねばと俺は「ええ、任せてください」と渋々了解する。
俺の下から出てきたツタは、気分悪げに薔薇などの棘がある植物を俺の周りに出し、周りの人達を俺に近づけないようにしていたが、それを俺は、やりすぎだぞ。と軽く睨む。
すると、どこか不服そうにタン！と地面を叩いて植物達はどこかに消えていった。やがて窓の外を生い茂っていた植物達の存在は消え、雲一つのない光が室内に差し込んだ。
はぁ、と肩から脱力したと同時に。俺は深く学園長やその他の人物に頭を下げる。
「どうか許してくれ。こいつらは多分善意でこんなことをしてるんだ。学園長さん？が言ったとうり今の俺じゃこいつらを上手く扱えない。俺が言いたいのは二つだ。一つは、ここの学園に通うのはいいが、身内のうるさいジジイに話をつけさせてくれ。二つ、俺がここに連れてこさせる前、エぺルっつー女顔の男がいたはずだ。あいつは俺の魔力やらとかには関係ない。何も処分しなくていい」
潔く土下座をしたAに学園長が気圧されると、そこを狙ったようにアズールが入って来た。
「彼自体に魔力はありませんが。従えている魔法を含めて見た力では僕の意見では学園内でもトップクラスであるとみてます。よくお考え下さい学園長。あの魔法使い勝手がいいじゃないですか、危険とは言えども、あの魔法を使わせて掃除でもなんでもさせればいい。ここの生徒になるのでしたら、僕がちゃんと仕込みますよ」
胡散臭い営業スマイルを浮かべるアズールだが、ここでの発言は間違っていない。理にかなっているとも言っていいだろう。多少、不安ではあるが学園長はアズールにこの少年をたくそう、と思った。
「あ、でも保険として。こうしましょう」
思い出したように学園長は懐から何やらビンゴカードのようなものを出した。
「君の監視もかねて、全寮の寮長たちからスタンプを貰ってきてください。しかし、スタンプにはそれ相当の寮へ対する貢献がカギです。そうすれば君は晴れて自由の身、学園に留まろうと、外へ行こうと君の自由です」
どうです？私優しいですからちゃんとお互いウィンウィンの関係も用意しましたよ、とほとんど自惚れに近い発言に、少し闇を感じつつ、Aは喉から引きつった声を出すとともにカードを受け取った。
「それにしても話が脱線しましたね。さ、連れて行ってください」
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レオ - とっても面白いです。続きが気になります。 (1月4日 8時) (
レス) @page48 id: 8c9a5c91e3 (このIDを非表示/違反報告)
夕闇柳 - たまたま30話見ていてカリムがカルムになっていました。 (11月25日 8時) (レス) @page31 id: a9dd4c9262 (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - ふぎょあ、完結されてるんですね…この作品、めちゃ好きです。まだ占ツクにログインしてなかった頃、読みまくってました笑 ねっとり様に届くか分かりませんが、更新、お疲れ様でした。ほんとに本当にこの作品がこれからも大好きです！！！！！！ (6月26日 7時) (レス) @page48 id: 154e73901c (このIDを非表示/違反報告)
ねっとり - 雨中猫さん» アカウントを作っていなので急遽この形ですが作者です。コメントありがとうございます。「命に嫌われている」素敵ですよね、番外編でも他の歌とかも書いてみたいので気長に待ってくれると嬉しいです (2022年2月5日 23時) (レス) id: ad0790befa (このIDを非表示/違反報告)
雨中猫 - 主人公ちゃんに命に嫌われている歌ってもらいたいです！ (2022年2月4日 19時) (レス) @page27 id: 79b86edfa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねっとり | 作成日時：2022年1月20日 16時
