十八話 ページ20
「ちょっとぉー、無駄な抵抗してんなよぉ、お前他の稚魚たちと違って馬鹿じゃないから分るよねぇ〜？」
かろうじて機能している視界を上に向けると、鮮やかな濃い水色に右に黒いメッシュの大男がこちらを不機嫌気に見下ろしていた。
＿＿こんな、首を絞められておいて抵抗しないヤツなんていねぇだろ。
と内心愚痴を零すが、これほど男一人の首をたやすく締められる彼ならば、躊躇なくこちらを殺すことも可能なのだろう、しかし、大事な核心的な部分は絞められていないのは、こちらに少なくとも用があることではないのか？とやや危険だが俺は抵抗しようした腕を下ろすと目の前の男は分かりやすく機嫌がよくなった。
「うんうん、物分かりがいいねぇ。俺、好きだよぉ〜」
軽く首を絞めていた手の力が弱まる。一気に酸素が脳と肺に押し寄せ、ゴホッとむせる。ジンジンと血液が勢いよく回りだすのがわかる。下からその目の前の男を睨む。しかし、上目遣いに睨まれても怖くないのだろう。彼はますます俺のことが気に入ったように、へらへら笑っていた。
＿＿お前みたいなやつに好かれるのはごめんだな
と思っていると、「フロイドの無礼をどうかお許しください」と凛とした声が響いた。眼球だけを回し、その声の方向へ視線を向けると今度は目の前の男と逆にメッシュがある男がエペルを俵抱きに担いでいた。
「おい、お前。エペルに何しやがった」
思ったより低い声が出る。すると、フロイドと言われた男が「言うねぇ〜」とどこか面白そうに零す。エペルを担いだ男は、困ったように眉を下げると。
「あなたとアズールの会話のお邪魔になるかと思いまして、少し眠ってもらいました。ご安心を、貴方が抵抗しない限り危害は加えていませんので」
そうクスリと笑う男に俺は「クソ野郎が……」と小さく悪態を吐く。
口では威勢を張っているが、まずい状況だ。首元には手を、おまけに人質にエペルを盗られてしまった。どうするかね……。と考えているとコツコツと踵を地面に鳴らす音がこちらに近づいてきた。
「よお、さっきぶりか？アズールさん」
あらら、Aさん。大丈夫ですか？そう薄く微笑みながらこちらに近寄るアズールに俺は内心唾を飛ばす。
「いやぁしかし、我々もこんな手荒な真似をしないつもりでしたが、あの魔法を見せつけられてしまってはね。運営委員長の僕としては、放ってはおけないですからねぇ」
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レオ - とっても面白いです。続きが気になります。 (1月4日 8時) (
レス) @page48 id: 8c9a5c91e3 (このIDを非表示/違反報告)
夕闇柳 - たまたま30話見ていてカリムがカルムになっていました。 (11月25日 8時) (レス) @page31 id: a9dd4c9262 (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - ふぎょあ、完結されてるんですね…この作品、めちゃ好きです。まだ占ツクにログインしてなかった頃、読みまくってました笑 ねっとり様に届くか分かりませんが、更新、お疲れ様でした。ほんとに本当にこの作品がこれからも大好きです！！！！！！ (6月26日 7時) (レス) @page48 id: 154e73901c (このIDを非表示/違反報告)
ねっとり - 雨中猫さん» アカウントを作っていなので急遽この形ですが作者です。コメントありがとうございます。「命に嫌われている」素敵ですよね、番外編でも他の歌とかも書いてみたいので気長に待ってくれると嬉しいです (2022年2月5日 23時) (レス) id: ad0790befa (このIDを非表示/違反報告)
雨中猫 - 主人公ちゃんに命に嫌われている歌ってもらいたいです！ (2022年2月4日 19時) (レス) @page27 id: 79b86edfa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねっとり | 作成日時：2022年1月20日 16時
