十三話 ページ15
学園内の生徒の視線をかいくぐり、やけに賑わう保健室の近くに来る。空いてるドアの隙間から見ると、中には数人の男たちがいた。
頬にハートの化粧をしている俺と同年代くらいの男子に同じくスペードの化粧の男。おそらく二、三年とも見える生徒のなかにベットの中にいる見覚えがある男がいた。
男しては長い濃い髪に獣のように鋭いエメラルドグリーンの瞳。筋肉質な身体を持っており、ワイルドな見た目に反して頭部には立派な獣耳。
＿＿なーんか、誰かに似てるなぁ……
と思いつつ似ている人物を頭の中からひねり出す。そこでハッとして未だに寝ているチェカを見た。
「も、もしかして、おじたんってあのワイルドな人………？」
チェカの不思議なネーミングセンスに絶句しながらも、賭けてみるか、と思い俺はチェカを医務室の前におろす。花束を持たせてやると、足早にその場から去り、壁から少し顔を出して様子を見る。
パチン！
と軽く指を鳴らすと、魔法が解けたのかハッとして起き上がったチェカがここはどこというように不思議にぶんぶんと視界をめぐらせて俺の姿を探す。やがて諦めたのか、チェカを両手いっぱいの花束を持って、おじたんやらがいる部屋の中に入っていった。
ひとまず安心だと思い、安堵の息が出たとともに。
気持ちを切り替え、顔を上げる。
「おい、いるんだろ。出てこいよ」
さっきのチェカを前に歌った時から俺のあとを付けてくる何か。声をかけるが出てくる気配はない。こちらに敵意があれば俺の御付きみたいな植物たちがただじゃおかないから、彼らの反応から見ても相手はこちらに害を与えるつもりはないと見た。
俺はそのついて回る奴が隠れているところに行き、ガッと手を掴む。
「俺、何か気に障ることでもしたか？」
そう言って、そいつを見ようとしたら、掴んだ腕がやけに細いことに気が付いた。
すると、目の前には小柄の女。
いや、女にしてはでかい方だ。しかし、掴んだ腕は細いとはいえ形はしっかり男。こちらの制服を身に着け、胸元にはやや大きいリボンを纏った短身痩躯。小さな顔とネコを彷彿とさせる大きな目。天然パーマなのか軽くフェーブのかかった淡い紫色のショートヘア。
そこには当然、美少女といっても過言ではない人がいた。
当然、骨格は男でも顔は完全な女の目の前人物に完全に俺は困惑した。お互い軽い沈黙が走り。俺はパッと掴んでいた手を離した。
「あ、悪いな」
「…」
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レオ - とっても面白いです。続きが気になります。 (1月4日 8時) (
レス) @page48 id: 8c9a5c91e3 (このIDを非表示/違反報告)
夕闇柳 - たまたま30話見ていてカリムがカルムになっていました。 (11月25日 8時) (レス) @page31 id: a9dd4c9262 (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - ふぎょあ、完結されてるんですね…この作品、めちゃ好きです。まだ占ツクにログインしてなかった頃、読みまくってました笑 ねっとり様に届くか分かりませんが、更新、お疲れ様でした。ほんとに本当にこの作品がこれからも大好きです！！！！！！ (6月26日 7時) (レス) @page48 id: 154e73901c (このIDを非表示/違反報告)
ねっとり - 雨中猫さん» アカウントを作っていなので急遽この形ですが作者です。コメントありがとうございます。「命に嫌われている」素敵ですよね、番外編でも他の歌とかも書いてみたいので気長に待ってくれると嬉しいです (2022年2月5日 23時) (レス) id: ad0790befa (このIDを非表示/違反報告)
雨中猫 - 主人公ちゃんに命に嫌われている歌ってもらいたいです！ (2022年2月4日 19時) (レス) @page27 id: 79b86edfa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねっとり | 作成日時：2022年1月20日 16時
