☆*。゚ ページ42
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「あ、見て。この子山本に似てるの 笑」
『見して見して……えぇタコじゃん!笑』
ぷぅっと口を膨らませて、雫ちゃんが馬鹿にしてくる〜〜と眉を下げる彼。そのお口がタコなんだよ、と微笑ましくなってしまう
『雫ちゃんはこの子かなぁ』
彼が画面を指さすのでタコって言った仕返しとしてヘンテコな子を言ってるのかな、と思いつつ覗き込むと
「…え、超かわいいじゃん 笑」
『でも似てるよ?』
似…てる…か…?
「…え、なんかこっちだけちょっとふざけたみたいになっちゃうじゃん!笑」
『だって雫ちゃんかわいいも〜〜ん』
私の顔を覗き込みながらへにゃっと笑う彼。照れ隠しから思わず山本のほっぺにぷすっと指を刺す
「山本ってめっちゃかわいいかわいい言ってくれるよなぁ」
『ほんとに思ってるよ?』
「…ほんとよくそんなことを恥ずかしげもなく…」
首を傾げる山本を策士やわぁ、と眉をひそめて言いながら見ると、二ヒヒッと笑って八重歯をチラつかせた
「ほんと似てないよね 笑」
『ね、笑』フフッ
几帳面な私と、無頓着な彼。恥ずかしくてボケに走る私と、恥ずかしがらずにストレートに気持ちを伝える彼。とびだす私と、あつまる彼
「それに、山本理系でしょ?私文系だし」
『ほんとだ』
「ちなみに猫派」
『犬派かな』
『好きな色は?』
「青」
『僕赤だもん 笑』
全然だめじゃ〜〜ん、と背もたれに項垂れる彼を横に、思わず笑いが溢れてしまう。こんなにも性格も好みも異なるものなのだろうか
『まあでもいいんじゃないかな。磁石みたいで』
「?」
『磁石って、反対のS極とN極だからくっつくでしょ?』
「…真反対だからこそくっついたってことか」フフッ
『そういうことよ 笑』
こんなに性格も好みも異なるけど、私はそんな彼と一緒にいる
『まあ全部一緒でも、全部真反対でも、きっと僕は雫ちゃんといるよ』
微笑む彼の横で私も考える。一体私は彼のどこが好きになった、なんて自分に聞いてみても、きっと説明できないだろう。だって私は本能的に、彼という存在が好きなのだから
「私も、かな」
『じゃあいいじゃんそれで』
解決〜〜と再び寄りかかって来る山本。難しいことは考えなくていい。好きだから一緒にいる、それだけでいいじゃないか
「山本」
『ん?』
「好きだよ」
『僕も』フフッ
頭を撫でるとくすぐったそうに笑う彼の隣でそんなことを考えた、黄昏時の話。
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作者名:reo | 作成日時:2020年3月2日 20時