Week End 2 (ページ3)

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〃 kwkm ページ3

引越しを済ませ、まだまだ未開封のダンボールに囲まれたこの家で過ごす初めての夜。朝から怒涛の1日目だった

「お風呂、先入ります？」

『あー…』

『じゃあ、お先』

と、お風呂に向かう川上さん。そう、今日から私は川上さんとひとつ屋根の下で暮らすのだ

「…」

「(テレビ繋がって良かったなぁ)」

1日目のうちにテレビの回線を繋げられたことに驚いた。流石インテリ川上さん。優しくて、頭も良くて。でも自分できる、と驕らずにサラッとこういうのすぐできる辺り、本当に尊敬だ

「…ふぅ」

荷物を運び入れ、ダンボールの開封と家具の移動で朝から動いていたので流石に疲れた。ちょっと一息、と座ってテレビを見ていると、廊下の方から声が

『…ずくー』

ん？

『雫ー？』

あ、川上さんが呼んでいる。お風呂場で何かあったのだろうか

ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

「どうしました？」

行くと、そこには浴室からドアをちょっと開けてひょこっと顔だけ出した彼が

『タオルなかったわ、笑』

と言って笑う。

あ、

「あっ！はいっ、持ってきます！」

タオルがないは盲点だった。まだ箱の中、という引越しの時だからこそのハプニングだろう。必要な時にならないと気づかないもんだな、と思いながら急いでダンボールを漁ってタオルを取り出す

「はいっ！タオルですどうぞ！」

『おーありがとうな』

「じゃっ、じゃあ私はこれで！」

なるべく直視しないように彼にタオルを手渡し、足早に背を向ける私。こんなハプニング今まで無かったから、流石に彼の姿に心臓が持たない

『ちょっと待って』

と、私を引き止める川上さん

『なんでそんな挙動不審なん？笑』

「だ、だって…」

普段見えない鎖骨と、髪から滴る水滴がドキドキして直視できない…からとは流石に言えない

「だ、だって川上さんが…」

顔が赤くなってるが自分でも分かる。思わずその場で俯く

『…』

『あぁなるほどねぇ…』

もう見なくても分かる。絶対今川上さんニヤニヤしてる

『一緒に住むなら今後一緒に風呂入る機会あるやろ笑』

と笑う彼。その状況、想像しただけで頭がパンクしそうなんですけど

「…まぁ、きっと」

『その時もこんな挙動不審でおるん？』

「…多分」

『慣れない？』

「……無理ですよう」

『へー…』

『楽しみにしとこ、笑』ﾆﾔﾆﾔ

さっきの発言を取り消させて頂く。川上さんはいじめたがりのドSだ