Week End 2 (ページ19)

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「あれ見せてよ、部活動風景」

『あ、いいよいいよ…はいここ』

「お～～～」

そこに載っていたのは部活動の練習風景や大会の時の写真。ユニフォーム姿で笑顔で集合写真に映る陸上部員達。陸上部だった彼もその中にいた

「…かっっこよ」

『んふふふふ～～～』

数々のベストショットをとらえた写真の中に走っている山本も写っていた。筋張った腕やなびく髪、実際見ると想像よりかっこよく思わず笑みがこぼれてしまう

「えーまってかっこい～い」

『ふふっ、そんなに～～？笑』

ちょっと恥ずかしくなってきたからもうだめー笑、なんてはにかんでパタンと閉じられてしまった。いやぁ山本が走ってるとこ、同級生として実際に見たかったなぁ…

「さぞかしモテたでしょう？」

『…いや、ぜんっぜん笑』

「あれれ、笑」

予想外の返事にちょっと驚く

「なんでよ～～笑」

『原因はなんとな～く分かってんだけどね笑』

「あら」

『誰も僕のことを男として見てなかったんだと思うよ』

「えーそうなの？」

『みーんな僕のこと”かわい～～い”としか言ってくれなかったもん』

背低いしそもそも恋愛対象にされる土俵にすら上がれてなかったと思うな、と悲しげに笑う山本

「みんな確かにかわいいけどよく見て！！？超かっこいいぞ！？」

誰に言ってんの～笑、とケラケラ笑っている山本。惚気なのは十分承知してるんだけど、かわいいってなる所を上回るかっこ良さが彼には備わっていると勝手に思っている

「勿体ないなぁ…」

「…でも誰も目ぇつけなかったから今一緒に居られるんだもんなぁ」

きっと何かしらの縁だねぇ、とほんわりした笑顔で言う彼

『だから僕嬉しかったよ』

『雫ちゃんがちゃんと”かっこいい”って恋愛対象として見てくれるの』

「？」

『誰にも言われたことなかったから』

「ほんと？」

『うん』

机に項垂れていた彼がパッと起き上がった

『ありがとうね。僕のこと男として見てくれて』

「いえいえ、ほんとにかっこいいですから」

『んふふふふ、笑』

『だーーいすき』ｷﾞｭｯ

→かわいいかわいいと言われ続けた彼。そんな中、男としての魅力を感じ取ってくれたかけがえのない人は誰でもない、あなただったみたいですよ