命令 ページ41
『はぁ…………俺………の部屋か』
片付けのされていない、机に荷物
こんのすけたちが、遊んでいたカードは部屋の隅にまとめて置かれていた
ここの部屋は、思いの外綺麗なんだったね
「はぁ………」と小さく息を吐く
「ん?」と後頭部にそっと手を当てる
ザラザラとした手触り…………包帯か
鼻につく刺激臭も、穢れた空気もない
体は、若干重いけど熱も無いし、吐き気もしない
『生きてる……………』
「当たり前だ」
入り口から、低音ボイスでの返答
頭に刺激を与えないように、ゆっくりと体を起こした
『や………薬研さん』
「たっく……………。おい、大丈夫かよ」
『はい。特にこれと言った、ものはなく』
薬研さんは、何かの本を読みながら壁に寄りかかり、座っていた
『そういえば、何故薬研さんがここに?』
警戒しているなら、尚更
敵の部屋に、ノコノコと入らない
何か裏があるのでは…………?
自分の中で、警戒心を強める
刀は、近くにある斬られそうになったらこいつで何とかしよう
「お前が倒れた…………と、こんのすけから聞いたから様子見だ」
『答えになってるんすかね。まぁ、そのはい。ご心配お掛けしました』
まだ、殺すなと誰かの命令か…………
それとも、自分の意識か
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作者名:さプる | 作成日時:2020年4月30日 15時