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白い肌の上に浮かび上がる紅い痕。
「それが佐久間の印」
この印は、私が佐久間さまのものであるという証のようなもの？
よく分からないけど、それがとても嬉しいのは何故だろう。
「Aおいで、夜も遅いからもう寝るでやんすよ」
広げられた腕の中に素直に潜り込むと、布団を掛けられて二人でくっ付き合う。
「今日は冷えるな〜」
確かに。せっかくお風呂に浸かって温もってきたというのにもう足先が冷たくて痛い。
足と足を擦り合わせていたら、ピタリと佐久間さまの足が触れた。
「にししっ、二人でくっ付いてたらあったかいよ〜」
「ふふ、でもちょっと擽ったいです」
「にゃはは。我慢我慢」
あたたかい。
足だけじゃなく、心まであたたかい。
鬼は人間を惑わし喰らうというけど、佐久間さまからは全くそんな気配は感じない。
康二さんたちとも上手くやれてるようだし、ほんとに鬼なのかも怪しい。
じっと下から見つめていたら視線に気付いたのか「んー？」と、間延びした声に思わず笑ってしまう。
……どっちでもいいや。
佐久間さまが、鬼だろうと人だろうと。
私に道を示してくれた人には変わりないのだから。
.
「またのお越しをお待ちしております」
「んふ！ はいはーい！また来るからねぇ」
翌朝、旅館の人総出で見送られた。
見たらわかる女子達の佐久間さまに向ける色の籠った眼差し。
「……ちっ」
「えっ、Aちゃん怖い部分出てんで？」
なんのことですか？
ツンとそっぽ向いた先には、らうると亮平さんが待っていた。
「ほいじゃあ出発するでやんすよー」
「お宅さん待ちやったけどねぇ」
少し歩いた先で佐久間さんが徐に指をパチンと鳴らした。
するとさっきまで穏やかな時が流れていたはずの背後から、悲鳴に似た叫びが上がる。
「なんだこれは！ 誰がこんなに食べて呑んだ！？ というか君たち大丈夫か、何故そんなところで腑抜けになってるんだ！？」
ああこれは多分旅館の店主だろう。
「んひひっ」
「夢から覚めたわけだね」
「どういうこと？」
「佐久間の術だよ。彼女達はおおかたとても羽振りがいい美丈夫の世話でもしていたつもりなんだろう」
「夢から覚めたって酷くなーい」
「ほんとのことだろ？」
「鬼の佐久間さんもじゅうぶん美しいでやんしょ？」
パチンと片目を伏せたけど、誰も敢えてそこに触れなかった。
「あれ？待ってよ〜！」
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ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (
レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間推し - お話が面白くて一気に読み進めてしまいました〜！！続きも楽しみです！ (2020年11月21日 8時) (レス) id: b5372a6ba4 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» ありがとうございます！！お話書かれてるんですね！？よし見に行かねば！！ いえいえ彼への愛があれば素晴らしい作品のはずです！一緒に楽しんで書きましょうね(^^) (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» 鬼佐久間さんに是非惚れてください（笑）食べられて良いなんて言っちゃったら、今夜辺りに来ますよ？（笑）まだドキドキシーンがあると思いますが楽しんでほしいです！ありがとうございました！ (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年10月24日 1時
