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「らうる。大丈夫だからね」
「Aさまぁ…」
幼い頃から絶対的存在としてあった敵の大将に、まだ世間を知らない子供のらうるが怯えるのは仕方ない。
怖いに決まってる。
もしもこのまま連れ戻されたらって考えたら恐怖だよね。
でも絶対そんなことさせないから。
「ふうん、お前よく見れば美しい顔をしておるな？こりゃあこんな小銭よりこいつを売る方が大金になるんじゃないかい」
「……え、それはやだ」
狐男に顎を掴まれてクイッと持ち上げられる。
いけ好かない顔が目の前に迫り顔を歪めて、舌をべーと出してやった。
「あん？ 生意気な野郎……て、お前もしかして女子か？」
「え？」
「この肌のきめ細やかさといい、吸い付くような触り心地。よく見れば薄く桃色に光るその瞳……ははあん、お前桃姫だね？」
「っ！」
え、なんかバレた！？
「あかん！A逃げろ！」
「Aっ！！」
逃げろって言われても後ろでは拘束されいるし、前には狐男が舌舐めずりして笑ってるし。キモイ！
どうやって逃げたら……
.
.
「ちょっとちょっと〜、その汚らわしい手で佐久間のもんに触んないでくれないかな〜？」
場の空気を一気にぶち壊すその間延びした声。
久しぶりに聞いたその声に、私の心臓はドクンと揺れた。
「さ、くま…様っ」
「にゃはは！ はあい、桃姫ちゃん元気してた〜？」
「佐久間様っ！ 助けてください！」
なんでだろう。
佐久間様なら、この絶望的な状況を何とかしてくれると思える。
「……さくま？ 誰だお前は？」
「っ、」
狐男の伸びた爪が頬にくい込んで痛くて眉を寄せれば、ザッと一陣の風が鼻先を掠めた。
目を開いた次の瞬間には、生臭い血の香りに辺りが包まれていた。
「言ったよねえ。佐久間のもんに触んじゃねえよって」
「ぅ、うわわわわわっ！ 手っ、俺の手がァァあぁっ！？」
狐男の手首から上は、コロンと橋の上に転がっていて、溢れる血飛沫を止めようとするけど混乱している男はフラフラと橋から川に身を投げた。
「お前はどうされたい？ その手、離す？離さない？」
血を浴びた扇子を私の背後にいた男の頬にペチペチと打ち付ける。
「ひっ」と息を飲む声と同時に後ろ手を掴んでいた手の力はなくなった。
.
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ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (
レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間推し - お話が面白くて一気に読み進めてしまいました〜！！続きも楽しみです！ (2020年11月21日 8時) (レス) id: b5372a6ba4 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» ありがとうございます！！お話書かれてるんですね！？よし見に行かねば！！ いえいえ彼への愛があれば素晴らしい作品のはずです！一緒に楽しんで書きましょうね(^^) (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» 鬼佐久間さんに是非惚れてください（笑）食べられて良いなんて言っちゃったら、今夜辺りに来ますよ？（笑）まだドキドキシーンがあると思いますが楽しんでほしいです！ありがとうございました！ (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年10月24日 1時
