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「あー、お腹空いたあ」
「そんなん言うて、さっき食べたばっかやん!」
「Aは食い意地が張ってるよね」
仲良く三人並んで歩きながら、というか大きな二人に挟まれながら旅に出た私ですが、これではまるで囚われの身みたいじゃないか。
なんでそんなにピッタリくっつく。
「うーん、ただ歩いてるだけって口が寂しいんだよね」
「そうかそうか。ほなAあーん」
「あーん? ん?!」
あーんと言われたら口を開けちゃうよね。
そしたらポイッと中に丸いものが放り込まれて、コロコロと舌で転がしたら甘い甘い飴だった。
「おいちーー!!」
「はは! 可愛ええなあ」
「康二はAにほんと甘いね」
「飴だけに?」
「……はあ、そんな事より。そろそろ宿をどうするか考えなきゃ」
旅に出て二日目。
昨日は野宿で過ごしたけど、できるなら二日連続の野宿は避けたいのが本音な三人。
けれど毎日宿に泊まるにはいつか金銭も底をつきかねないし。
「ほんなら芸でもして一稼ぎするしかないな!」
「お! 康二さんの本業じゃない!」
「それはいい案だけど、こんな人のいない場所でやってもねえ。せめて次の町でだね」
その次の町までまだ結構あるんだから、やっぱり今日くらいは宿に泊まりたい。
そう思いながら歩いてる時だった。
人の視線を感じてビリビリと背筋に悪寒が走る。
「え?」
誰?と振り返った時にはもう遅くて、振り分け荷物をあっさり奪われてしまった。
「ああっ! 私の団子が!!」
「て!団子より気にするもんあるやろ!!」
康二さんの言う通り、私の生活用品が全て入ってる荷物なわけだけど、私にとっては旅に出る時に女将さんが持たせてくれた団子が大事だ!!
「団子返せー!泥棒ー!!」
「おい!止まらんかいっ!」
走って追い掛けるも、盗人の方が足が早くて距離が開いてく。
このままじゃ逃げられる!
「止まれ言うてるやろ!!」
「うわっ!?」
康二さん今何しました?
先を走っていた康二さんはシュルって何かを投げた。
それが上手いこと盗人に当たり転げてる盗人。
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ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます!一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます!一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間推し - お話が面白くて一気に読み進めてしまいました〜!!続きも楽しみです! (2020年11月21日 8時) (レス) id: b5372a6ba4 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» ありがとうございます!!お話書かれてるんですね!?よし見に行かねば!! いえいえ彼への愛があれば素晴らしい作品のはずです!一緒に楽しんで書きましょうね(^^) (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» 鬼佐久間さんに是非惚れてください(笑)食べられて良いなんて言っちゃったら、今夜辺りに来ますよ?(笑)まだドキドキシーンがあると思いますが楽しんでほしいです!ありがとうございました! (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年10月24日 1時