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さてさて、こうして桃姫Aは謎の男の誘導によってお城を旅立ったわけですが、その後城内でどうなったかと申しますと。
「A、どうして顔を見せない？」
「…こほっ、こほっ。申し訳ありません、少し風邪をひいたようで」
「なっ！？ 大丈夫か？ 医者を呼ぶか！？」
朝から呼びかけても部屋から一向に出てこない桃姫を心配し、翔太は部屋を訪れる。
すると声色を真似た佐久間が風邪をひいたと嘘をつき、まんまとそれに騙されていた。
「A、心配だから顔を見せてくれないか？」
「ごほっ、馬鹿と…じゃない…翔太様に風邪を移してはいけないので駄目です」
「ん、今馬鹿とか言った？」
「言ってません」
うむ、と障子の前で顎を擦る翔太。
なにやら怪しいぞ。と、コソッと見守っていた宮舘に目配せすると、宮舘は部屋の周りに家来を配置させた。
「いやA、それでもいいから顔が見たい。 妻に風邪を移されるなら構わないぞ」
「……チッ。いえいえ、それは、」
「ならば勝手に入るぞ」
「えっ！？ いや駄目って言ってんじゃん！ああっ、！」
バーン！と開けられた障子の奥には、布団の上でゴロゴロしていた佐久間がブスっとして翔太を睨んでいる。
そんな佐久間をまた睨み返す翔太の前に廊下の奥から走ってきた宮舘が「曲者め！」と、刀を抜いて佐久間に剣先を向けた。
「あーあ、ほんと馬鹿殿は人の話聞かないよねえ。開けないでって言ったじゃーん」
「あ？ 誰が馬鹿だ。つうかお前誰なの？ Aを何処へやった？」
「翔太様、あまり前へ出ないでください」
「んー、俺？ 俺は佐久間だよ。これって佐久間危ない感じ？」
出口を囲われていては、どうやって逃げられるというか。
翔太は勝ち誇った顔をして、もう一度佐久間に問う。
「Aをどこへやった？」
「ふふふ、教えにゃーい！ Aが欲しいなら、自分で捜せ。馬鹿殿！」
じゃあね！と不敵に笑ったかと思えば袖から出した手をバッと天井に向けると、桜の花弁がこれでもかと部屋を舞った。
ヒラヒラと花弁が地に落ちた時、佐久間の姿はどこにもなく消え去っていた。
「ぬあああ！あいつこんなに散らかして逃げたー！！」
「……怒るとこがズレてるんだよな」
こんな事が起きてるとは知らない桃姫は夜通し歩き、次の町へと辿りつこうとしていましたとさ。
「んひ、さあてこれからどうなるか楽しみ楽しみ！」
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ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (
レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間推し - お話が面白くて一気に読み進めてしまいました〜！！続きも楽しみです！ (2020年11月21日 8時) (レス) id: b5372a6ba4 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» ありがとうございます！！お話書かれてるんですね！？よし見に行かねば！！ いえいえ彼への愛があれば素晴らしい作品のはずです！一緒に楽しんで書きましょうね(^^) (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» 鬼佐久間さんに是非惚れてください（笑）食べられて良いなんて言っちゃったら、今夜辺りに来ますよ？（笑）まだドキドキシーンがあると思いますが楽しんでほしいです！ありがとうございました！ (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年10月24日 1時
