かわいい ページ37
「出口そっちじゃないわよ」
「…っ！」
そうAが言葉にした瞬間、ゾロはカッと顔が熱くなる。
ペローナは親切にちゃんと指まで指してくれたのに何故間違えるの。…ばか？
あ。バカだった。とAは淡々とゾロを分析する。船長もバカだった。バカで成り立っているのだろうか麦わらの一味は。
「どこ行ってんだよ！普通間違えねぇだろテメェ！！」
「方向音痴」
「うるっせぇな！！」
ゾロは身に纏っているくましぃの帽子や靴を乱暴に投げ捨て、出口のドアを開いた。その後ろをAは付いて行く。
”相手と別れるまで絶対に面を外してはいけない”
Aは最後までペローナに可愛らしい笑顔を見せた。
「ペローナまたね！次もし会えた時はもっとお話したいな！」
「……」
次なんてあるのかなんてそんな保証なんてない。だが人付き合いなんてそんなもん。もう会えないなら会えないで別にいい。
「私たちの事看病してくれてほんとありがとうね」
Aはそう言ってペローナに背を向ける。
「おい」
「…ん？」
A達を呼び止める声に、両者共振り返る。
「なんだよ。刀の在りかでも教える気になったか？」
「……ほ、ほんとに行っちまうのかよ！」
「お前には関係ねぇ」
冷たく言い放つゾロをよそにAはペローナの方に掛けつき、華奢な体をぎゅっと抱きしめた。
「私たち本当に行かなきゃいけないの。すごい悲しいけど、待っている仲間がいるから」
そう言って悲しそうに微笑むAにペローナは心なしか涙目になる。
・
「オメェ本当は悲しいなんて一ミリも思ってねぇだろ」
「…思ってるわ」
「……」
ゾロとAは人気のない廊下を歩く。聞こえるのは自分たちの一定の足音。そんな中ふとゾロは感じたことを口にすると、Aは心外だとでも言いそうな表情を向けた。
「お前そんなに性格変えてしんどくねぇのか」
「しんどい？私は今までこうやって生きてきた。貴方の今の言葉、まるで私の生き方を侮辱したみたいで不快だわ」
声色は穏やかのままだが、Aは静かに怒りを露わにしている。それに勘付いたゾロはそれ以上は何も言わずに、Aの靡く銀色の髪を視界の隅に入れた。
終わり
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れ(プロフ) - とってもおもしろいです！これからも楽しみにしてます、、！頑張ってください！ (2020年8月1日 3時) (
レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉(プロフ) - 名無し34187号さん» わざわざコメントありがとうございますTT。嬉しいです(^ ^)これからも更新頑張りますね！！ (2019年12月10日 14時) (レス) id: 7be676ba1b (このIDを非表示/違反報告)
名無し34187号(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです泣。相変わらずの文才で、内容までめちゃくちゃ面白いです！！これからも更新楽しみにしています！ (2019年12月10日 14時) (レス) id: 00aa3bdea9 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 1番か4番がみてみたいです！ これからも頑張ってください！！ (2019年6月3日 18時) (レス) id: 33ef8a9a51 (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆(プロフ) - �θ屬�見てみたいです！！ (2019年6月3日 6時) (レス) id: a4b65807ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼葉 | 作成日時：2019年5月26日 19時
