飛ばされた ページ28
ゾロがいたはずの場所に土煙が舞う。
土埃が混じった風がAの髪をなびかす。実に絶望的だ。常に冷静なAでさえも珍しく状況を飲み込むことができない。
「ゾロ！？ゾロォォ！？ゾロォォォオ！！！」
ウゾップのの悲痛な声にAはハッと目を見開いた。あまりにも読み込めない展開に唖然としていた。
「ゾロっ…」
膝まつくルフィを支えるロビン、その瞳は絶望を写している。
ゾロさん…？と弱々しい声を出すブルックの隣で言葉が出ないでいるサンジ。
周りにいる仲間達もAと同様、呆然とそこに立ち尽くすだけ。
目の前にいた彼が消えた。
それだけもう充分理由になっているじゃない。しっかりして自分。
「あの能力見たことある…」
手で口元を押さえ、震えた声でそう呟くナミに反射的に振り返る。
「スリラーパークで女の子が一人…ああやって消されて二度と帰ってこなかった…」
その言葉に皆が息をのみ、張り詰めた空気が麦わらの一味を囲む。
「逃げましょう。」
そんな中、Aの静かな声が響いた。さっきまで仲間と同様、唖然とした顔で唇を震わせていたのが嘘のようだ。表情は無に近く、安心感さえも感じるほどの落ち着いた声色。非情にも感じる。
「でもっ…ゾロがっ……」
「Aの言う通りだ！ゾロのことは後で考えろ！行くぞっ！」
漠然とするナミの手を引き、フランキーは足を動かす。後で考える…。私たちに後ではあるのだろうか。Aは目を閉じる。ああ災難だ。麦わらの一味と関わりを持って、その直後に自分は生死を彷徨っている。
なんだかこの状況に自分があまりにもそぐわなくて、フッと呆れたため息が出てしまう。
元々は人を惹きつける素質を持っている彼に私は惹きつけられた。
要は落とされた。
人を惹きつけるために努力をしていた私がバカみたい。ほんとむかつく。
素質を持っている人間と努力をしている人間とでは、特損が激しい。この場合私が損。こんな能天気な男に。腹が立ってしょうがない。
それでもこのトラブルメーカーの一員になった事に後悔はしていない。露わに出会って数時間の人達に自分は命を賭けていた。この私がよ。自分以外の人間なんて騙し、裏切る対象でしかないのに。
「おいA！！！」
背後に迫ってくる気配。
でもそれだけの魅力があるという証。誇りなさい。
ボフン
飛ばされた
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れ(プロフ) - とってもおもしろいです！これからも楽しみにしてます、、！頑張ってください！ (2020年8月1日 3時) (
レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉(プロフ) - 名無し34187号さん» わざわざコメントありがとうございますTT。嬉しいです(^ ^)これからも更新頑張りますね！！ (2019年12月10日 14時) (レス) id: 7be676ba1b (このIDを非表示/違反報告)
名無し34187号(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです泣。相変わらずの文才で、内容までめちゃくちゃ面白いです！！これからも更新楽しみにしています！ (2019年12月10日 14時) (レス) id: 00aa3bdea9 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 1番か4番がみてみたいです！ これからも頑張ってください！！ (2019年6月3日 18時) (レス) id: 33ef8a9a51 (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆(プロフ) - �θ屬�見てみたいです！！ (2019年6月3日 6時) (レス) id: a4b65807ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼葉 | 作成日時：2019年5月26日 19時
