◇173.影 ページ30
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『風呂上がったよー』
イヴ「おかえり」
寝室に入ると本を読んでいたイヴが出迎える。
『グリムは？』
イヴ「もう寝ちゃったよ」
イヴの視線を追うと、たしかにイヴのベッドの端で寝言を言いながら眠るグリムがいた。
今日は本当に疲れた。
サバナクローの奴らとは戦うわ、レオナ寮長はオーバーブロットするわ、戦うわ、マジフトに参加するわ、戦うわで今日は本当に疲れてしまった。
僕は自分のベッドに座る。
『……ん？こいつの口元、なんか汚れてね？』
イヴ「へ？」
ふと、グラムをよく見てみると、グリムの口元に何か黒い食べカスのようなものがついていた。
『こいつまたなんか変なもの食べたな！？』
イヴ「い、いつの間に！？」
『ったく……』
ハーツラビュルの時もなんか食べてたし、こいつは本当に食い物のことになると躊躇ないな。
イヴ「お腹壊さないといいけど……」
『いや、壊さないだろ。ハーツラビュルの芝生食っても腹壊さなかったし』
イヴ「それもそうだね」
『それよりもう寝よ……僕もう眠いや』
イヴ「うん。じゃあ灯を消すね」
お互い布団にもぐって、おやすみ、と言った。
そんな時、灯を消したはずなのに眩しかった。
『イヴ……灯、消し忘れてるよ』
イヴ「あれ……でもちゃんと全部消したよ？」
目を開けると、何故か鏡が光っていた。
『え……』
イヴ「な、なに？」
僕とイヴはベッドから降りて、鏡の前に立つ。
光っている鏡の前に立っても、僕らの姿が映ることはなくて。
じっ、と見ていると、
影が映った。
イヴ「ひっ……！」
黒い影が、僕らを見ている。
不気味だった。
そして影が消えると、鏡も光を失う。
僕とイヴを顔見合わせ、さー、っと顔を青くする。
『ね、寝ようか！』
イヴ「この状況で！？こ、怖くて眠れないよ！」
『大丈夫だよイヴ！いいか！？あの黒い影は大量のゴキブリの影だったんだよ！！
あ！でもそう思えてくると今度は僕が眠れない！』
イヴ「じ、じゃあ、お、おおおおばけ！？」
『そ、そうだ！これはおばけさん達のイタズラ！』
イヴ「そしたら私が眠れない……」
グリム「……オマエら、うるせぇんだゾ……」
目を擦りながら起き上がるグリムに僕とイヴは瞬時に反応する。
その日の夜、グリムを挟んで３人で一つのベッドで眠ったのは、言うまでもない。
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冬雪(プロフ) - アルファさん» ご報告ありがとうございます。これからもご愛読の方をお願いします (2020年4月17日 15時) (
レス) id: e3ba6a1386 (このIDを非表示/違反報告)
アルファ - 161話で、八つ当たりはジャックすればいいになってました (2020年4月17日 11時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
アルファ - とっても面白くて、何回も読み返したくなる面白さ･･･ヤバいです！ (2020年4月17日 11時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - アルファさん» ご報告ありがとうございます (2020年4月16日 18時) (レス) id: e3ba6a1386 (このIDを非表示/違反報告)
アルファ - 186話でレオナがレオナ先輩ってさいごにいってました (2020年4月16日 17時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年4月12日 3時
