◆31.約束 ページ33
イヴ.
『とりあえずは大丈夫って感じかな』
イヴ「そうだね」
有頂天のグリムくんを両手で抱えながら学園長室から出て、壁に背を預けながら通路から見える夜空を眺める。
エースくんとデュースくんは校長先生に話があるからと、まだ彼らは学園長室にいる。
あの後、人間社会に不慣れなグリムくんのことだから、また何かトラブルを起こさぬよう見張ってくださいと校長先生から言われ、私達は��監督生��という称号を受けた。
イヴ「今日はいろんなことがあったね」
『だねー』
イヴ「あ、Aちゃんが無茶したこと私まだ怒ってるから」
『え』
イヴ「なんであんな無茶なことしたの？」
ジッ、とAちゃんを見ると最初は目を泳がせたが観念したのか頬を掻いた。
『入学式の日、グリムが吐き出した炎に焼かれても僕って無傷だったじゃん？だから校長先生には魔法は使えないって言われたけど不死とか回復が早いとかそういう類の特殊能力的なものを持ってんじゃないかなって』
イヴ「……」
『でも、そうでもなかった。怪物に握り潰されそうになった時、体からミシッ、ていう音が聞こえたし普通に苦しかったし。正直、怖かったよ』
Aちゃんは顔を下に向けた。
私は、Aちゃんという人間に憧れを抱いていた。
そして甘えてすらもいた。
私はAちゃんの腕を掴んだ。
イヴ「……お願いだから、もう自分を傷つけるのはやめて」
『なんで？』
イヴ「なんでって……私は、Aちゃんが心配なんだよ？貴女が私達のために死んでくれたって全然嬉しくないし、貴女がいなくなったら女の子、私だけになっちゃうよ……」
目尻が熱くなる。
何故だろう。前もこんな風に誰かが私の前からいなくなって悲しくなった覚えがある。
でも、全然思い出せない。
『……わかった』
イヴ「！」
『自分のことは犠牲にするけど、僕は人一倍に生きるのが大好きだからね。それにこの学園に女の子の君を一人だけにするのも心配だしね。自分を犠牲にするのはやめるよ』
イヴ「その言葉、信じてるからね」
『うんうん』
するとAちゃんは私の頭を撫でた。
『イヴは寮に戻ってなよ。グリムも寝ちゃったみたいだし』
イヴ「……あ、」
視線を下に移すとたしかにグリムくんは私の腕の中で眠っていた
いつの間に……
イヴ「……うん、わかった。先に帰ってるね」
そう言うとAちゃんは手を振っていた。
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冬雪(プロフ) - コメントありがとうございます。どうぞ次にお進みくださいな (7月15日 10時) (
レス) @page50 id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
さ - 嫌いに!!なるわけ!!ないだろ!!寮長!!続き読んできます！！！ (7月15日 8時) (レス) @page50 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - るきあさん» コメントありがとうございます。見つけてくれてありがとうございます (2022年4月23日 17時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
るきあ(プロフ) - やっと見つけた！！！！！！！！！！！！！！！！！機械壊れて占ツク入れてから数ヶ月探してたけど見つかりました…応援してます…一から読み直します‼️ (2022年4月23日 17時) (レス) id: e2065bbc2b (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - はわわさん» コメントありがとうございます。ハマっていただけて嬉しいです。自分もここまでくるとは思いませんでした (2022年4月13日 0時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年3月23日 0時
