◆10.本当に優しいのは ページ12
イヴ.
『校長先生って結構お人好し？』
クロウリー「ええ。私、優しいので」
イヴ「……」
連れて来られた場所に私は呆然とした。
学園から離れた場所にあり、遠くから見ればそこはもうお化け屋敷のような建物に連れて来られた。
クロウリー「今はもう使われていない元寮だった建物です」
『なるほど……つまり、お化け退治をしろとな』
クロウリー「そんなこと一言も言ってません。さあ中へ」
そう言われ、私達はボロボロの扉を開いた。
床は雪が降り積もったような埃が充満し、所々の窓ガラスが割れていたり、蜘蛛の巣、ボロボロのソファーなど。
……絵に描いたような廃墟だ
『すっごーい！ボロボロだ！埃が雪みたい！蜘蛛の巣があるのに蜘蛛がいない！ソファーがある！窓がデカイ！』
イヴ「(凄い楽しんでる……)」
苔だらけの古びた椅子に座ったと思ったら即椅子の脚が壊れ、床に崩れ落ちても笑うAちゃん。
私も何故だか笑いが込み上げた。
クロウリー「まあ、気に入ったのなら何よりです。ここであればとりあえずは雨風を凌げるはずです」
イヴ「え……」
クロウリー「元の世界に戻れるまでこの建物は貸します」
イヴ「え」
クロウリー「鍵もいちようあったので預けます」
イヴ「え！？」
クロウリー「それから食堂に余ってた食料です」
イヴ「あ、あの！」
何か言う前にどんどん物が与えられる。
イヴ「い、いいんですか？こんなに良くしてもらって……」
クロウリー「ええ。Aさんの言う通り私は貴女達とは無関係。
ですが、何も持っていない貴女達を追い出すのは大人として心が痛みます」
イヴ「……校長先生」
クロウリー「私は、優しいのです」
『うん、優しいね』
すると埃に足跡を残して楽しんでいたAちゃんがいつの間にか私の隣にいた。
『後々考えて寝床とか食料とかどうしようって思ってさ』
クロウリー「……何も考えてなかったんですね」
『だって校長先生を巻き込むわけにはいかない、って思ったら、まずは校長先生を手放すことからかなーって』
イヴ「そうですよ。私達の事で頭を抱えることなんてないです」
私達は校長先生にそう言うと、校長先生は私達の頭を撫でた。
安心出来るような温かくて、大きな手だった。
クロウリー「貴女達の方が、よっぽど優しい……」
今まで聞いた声の中で、一番穏やかな声だった。
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冬雪(プロフ) - コメントありがとうございます。どうぞ次にお進みくださいな (7月15日 10時) (
レス) @page50 id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
さ - 嫌いに!!なるわけ!!ないだろ!!寮長!!続き読んできます！！！ (7月15日 8時) (レス) @page50 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - るきあさん» コメントありがとうございます。見つけてくれてありがとうございます (2022年4月23日 17時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
るきあ(プロフ) - やっと見つけた！！！！！！！！！！！！！！！！！機械壊れて占ツク入れてから数ヶ月探してたけど見つかりました…応援してます…一から読み直します‼️ (2022年4月23日 17時) (レス) id: e2065bbc2b (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - はわわさん» コメントありがとうございます。ハマっていただけて嬉しいです。自分もここまでくるとは思いませんでした (2022年4月13日 0時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年3月23日 0時
