早く会いたい ページ10
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紫耀くんから電話がくるのをひたすら待った。
公演はとっくに終わってる時間だと思うけど、きっと、また次の日の打ち合わせとかひっきりなしに行われるんだろうな。
それから電話がきたのは23時を回った頃。
急に眠気が襲ってきて目を閉じればブーブーブーとバイブ音が響いた。
着信：平野 紫耀
未だにこの4文字に慣れない。
出ることを躊躇う程。
ドキドキする胸を抑えながら3コール目で出る。
〈 あ、 紫耀くん？ 〉
《 もしもーし！ 》
電話の向こうで聞こえてきた私の大好きな声。
落ち着く声。ああ、聞きたかった声だ。
地元の公演はやはり大盛り上がりだったみたいで
私もやっぱり行きたかったなって素直にそう思った。
《 Aちゃんいたらもっと最高 》
〈 ふふふ、気持ちは隣にいるんだけどね 〉
《 可愛いこと言わないでよ 》
返答に困った。サラッとキュンとくる言葉を使ってくるから。早く会いたい。ギューって抱きしめて、チューして、……それ以上も……うん。
ジンくんと部屋が同じらしくて、柚莉のことを聞いてもらうよう頼んだ。そしたら紫耀くん、《 声眠そうだけどへーき？ 》って聞いてくれて 。ああ、気付いてる？……申し訳ないと思いつつ正直に伝えた。そしたら《 明日も仕事っしょ？寝ていいよごめんね 》って言うの。好きが溢れて泣きそうにもなった。優しさと愛しさが全面から伝わってくる。
だから〈 声聞けて良かった 〉の後に、気づいたら〈 好き 〉って言ってた。紫耀くんは困ったように《 会いたくなんじゃん 》って言うから恥ずかしくなって " 私もだよ " は言えなくて〈 おやすみ 〉とだけ返した。
電話を切ってすぐにLINEが届く。
紫耀くんおれもすき
もう、バカ。
こういうところがもっと好きになる。
幸せな気持ちのまま眠りについた。
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作者名：詠夢
| 作成日時：2021年5月25日 22時
