左馬刻の弟

第5話 ページ7

悠『お待たせしました』
入間「中村悠さんですか？」
悠『はい。…あなたは？』
入間「申し遅れました。ヨコハマ警察署の入間銃兎です。いきなりですみませんが、少しお時間よろしいですか？」
悠『…はい』

警察が一体何の用だ？俺は警察のお世話になるような事はしていない。それに入間銃兎って…。MTCの

入間「少し、場所を移してもよろしいですか？」
悠『構いません』


入間さんに連れられて来たのは近くのファミレスだった。


入間「私は場所なんて何処でも良かったんですが。あなたは私を信用してないでしょうから人目のある所がいいかと」
悠『そうですね。それで？一体僕に何の用ですか？』
入間「その前に幾つか確認させていただいても？」
悠『何ですか？』
入間「中村悠さん。職業モデル、年齢は21歳。家族は母親と妹の3人」
悠『そうです。で？話って？』
入間「何を焦っているんですか？」

っ！俺は少し焦っていた。左馬刻と関わりのある奴が俺に用がある。しかも相手は警察だ。全て知っている可能性がある。はやく、はやくこの場から逃げ出したかった。

悠『いえ、別に焦ってないですよ』ニコッ
入間「ﾌｯ、そうですか。では、」
「あなた、碧棺左馬刻をご存知ですか？」

あぁ、やっぱりこいつは知っているんだ。俺と左馬刻の関係を。

悠『…いえ、知人に碧棺さん？なんていませんが。』
入間「そうですか。あなたへの用は済みましたので帰って頂いてもよろしいですよ」
悠『…では、失礼しますね。さようなら』

俺はファミレスを出て家へ帰った。少しの時間だったのにすごく疲れた。はやく休みたい。

〈ガチャ〉
悠『ただいま』
凜華「！悠、おかえりなさい。大丈夫だった？」
悠『凜華さん！まだ起きてたの？先に寝ててよかったのに』
凜華「悠が心配だったから。ねぇ顔色が悪いわ。何をきかれたの？」

凜華さんはいつも俺や、みゆきの心配をしてくれる。本当に優しい人だ。だから迷惑をかけたくない。

悠『大丈夫だよ。母さんが心配するような事じゃないよ。疲れたからもう寝るね。おやすみ』
凜華「…おやすみなさい」

入間銃兎か、人をバカにしているかのような態度だったな。……出来ればもう二度と関わりたくない。

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