左馬刻の弟

第15話 ページ23

家に帰ってから、俺はぶっ倒れる勢いで寝た。それが余計凜華さん達を心配させ、怒らせた。
顔の傷が治るまでは仕事が休みになった。仕事が再開したらいろんな人に謝らないと。

「〜♪〜♪」

〈ピンポーン〉

呑気に鼻歌を歌いながらくつろいでいると、誰かがやってきた。
インターホン越しに覗くと銃兎だった。最悪だ。今は顔に傷があるから会いたくない。

……よし、居留守を使おう！

〈ピンポーン、ピンポーン〉

何度も呼鈴がなってうるさかったが少しの辛抱だと思い耐えていると、

〈ガチャ〉

ん？…ガチャ？

銃兎「おい！何居留守使ってんだ！」

悠『え？』

銃兎「！その顔、どうしたんだ」

悠『え、いやちょっと待って。俺の顔よりすげぇ大事な事があるだろ』

銃兎「何があった？」

悠『話聞けって！』

銃兎「なんだ？今はお前の傷の話が重要だろ」

悠『…なんで俺ん家の鍵持ってんの？』

銃兎「なんでって、頂いたからですよ」

悠『誰に？』

銃兎「中村凜華さんです」

悠『なんで？』

銃兎「鍵があった方が便利でしょう？」

悠『汚職警官恐っ！』

銃兎「フッ それでその傷は？」

悠『ちょっと友達とプリン争奪戦をしまして』

銃兎「は？」

悠『俺、プリンが好きなんですよね〜』

銃兎「……まぁ、いいです。それより理鶯の所へ行きますよ」

悠『こんな真っ昼間から？………嫌だ』

銃兎「あ？てめぇに拒否権はねぇんだよ」

悠『口悪。俺が行く必要ないじゃん！』

銃兎「貴方が行くと食事の取り分が減ります」

悠『絶対いかないよ！』

銃兎「あと、左馬刻の機嫌が良くなります」

悠『…全然話さないのに？』

銃兎「ええ。確実に良くなります」

悠『…行ってやるよ』

銃兎「助かります。ﾆｺｯ」 (チョロ。なにかといって、左馬刻の事好きだよな)

銃兎「それじゃ、行きましょう」

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