ちぐはぐ・モラトリアム (ページ10)

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Story10 ページ10

何言ってんだろ…。

俺が怪訝な顔をしていたからか、二宮くんははぁ、と大袈裟なため息をつく。

「潤くんが可愛すぎる、ってことだよ」

…え？

「…え？？」

「驚きすぎ」

二宮くんは驚く俺を見て笑う。

何を言われているのか…全くわからない。

「そんな可愛い顔されてもなぁ、可愛いもんは可愛いし」

…そんなこと言ったら…

「二宮くんのほうが可愛いじゃん…」

「俺ぇ？あー、まあ…可愛いね。でも俺基本人とつるむのダルいから、下心丸出しで声かけられても睨みつけるしね～」

否定はしないのか。

そう思いつつもじと目で見つめると、また頭を撫でられる。

「その点、潤くんは可愛いし優しそうだし、そりゃうちの野獣たちはほっとかないよ」

「そんなこと…」

ない、と言いたかったけれど、先程の出来事が脳裏に浮かんできて否定もできず、小さな身震いするしか無かった。