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Story15 ページ15
と、そのとき。
「まーつもーとくーん」
廊下から数人の声が聞こえ、思わずビクッと扉の方を見て立ち上がる俺。
まだ探してんのかよ…。
そう思ったのもつかの間、ぐい、と腕を引かれ、大野さんの腕の中に収められ、口元を手でそっと塞がれる。
「…！？」
「シーッ…」
小声でそう言うと、空いた方の手の人差し指を口元に持っていき、笑みを浮かべたまま俺を見つめ頷く大野さん。
…なんだか気まずくって、俺は目線を下に向ける。
大野さんの胸に当たる背中から、大野さんの心臓の音を感じる気がする。
…「ーい、…おーい、大丈夫か？」
柔らかい声にハッと顔を上げると、クスクスと笑われた。
「なにポケーっとしてんだ？」
あいつら行ったみたいだぞ、と、すんなり身体を離される。
そうだよな、何意識してんだ、俺…。
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作者名：くるみ
| 作者ホームページ：http://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=20000726
作成日時：2024年3月21日 12時
