３７. ページ47
今井くん幸せそうだったな…
死んだ目で授業を受けながら、窓の外を見る
空が綺麗です。そして隣に視線を移すと死んだ三橋が
生きてはいるんだけど殆ど死んでるね、うん
「三橋どうした！三橋！」
やってきた我らがむっくんが三橋の様子に慌てて？騒ぎ出した。三橋が死んじゃったー！と
授業そっちのけで騒いでるけど良いのか。本当に教師か怪しいところあるし大丈夫なのかな
「三橋！あっ生きてた」
「先生…」
虚ろな目で見る三橋に少し動揺した椋木が髪を払った。
「どした」
「人は……どうして人を好きになるんですか？」
思ったよりも重傷だった
俺はさ、ほら…自分よりもグタグタになっている人がいたら冷静になるアレだ。
それに今井くんとは数回しかまだ絡んでないから…
三橋は今井くんと色々あってライバル的存在だったみたいだし相当ショックだったんだろう
「今三橋からナイスな質問が出ました。今は古典の授業だけれどもこれから人生の授業を始めたいと思います、はい皆教科書しまって〜」
人生の授業ってなんだよ、道徳か？
薄っぺらそうな人生歩んでそうなアンタから学ぶことねーよ、と思い周りを見渡すとみんな真剣にノートを用意して椋木の話を待っていた。
馬鹿しかいねぇのかヨ
「"人"という字はこう…人と人が支え合って出来ています」
黒板に大きく人の字を書き、某教師が言いそうなことを始めた。それ有名な話だろ皆知ってるわ
そこの女子、何に感心してメモってるんだ！テストに出ねーぞ
椋木の説明を遮るように三橋が立ち上がり、元気よく大きな声を上げ挙手し黒板に走っていった
「でも、人が人を支えたらこうじゃないですか？」
何を思ったのか、三橋は人という字に小さな人を付け加えたのだ。椋木の書いた大きな人を支える三橋の小さな人…どう言うことなんだろうか
「うん？えっとそうなんだけど…そうじゃなくてね？この一本を人として考えているから人っていう漢字１つで人は人に支えられて生きているって事を表してるんだけど…わかんないかぁ」
「じゃあ2人いるってことですか？」
「えっ」
「だからこう…人がいて」
「違う違う、これが人だから…え、わかんない？」
「わかんない」
「そっかぁ…」
ここは地獄か？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2019年9月7日 1時
