３２. ページ39
昼休み、いつものように屋上で過ごしていた俺達は今朝の今井くんの話で盛り上がった
その時に三橋から、赤坂さんが今井くんに告られて振ったことを教えてもらった。その話をしている時の三橋の顔は本当に素晴らしい笑顔だった(悪魔みたいで)
「今井は本当に面白いね」
「谷川くんのツッコミもキレがいいし漫才師になればいいのに」
コーヒー牛乳を飲みながら伊藤くんとダラダラは駄弁っていると先程まで嬉しそうに赤坂さん特製の弁当を食っていた三橋が顔を上げこちらを睨み始めた
コロコロ表情が変わる奴だなぁ
「A…モテるからって調子に乗るんじゃねーぞぉ…」
「はいはい」
三橋も黙ってたらモテるんだけどな、という事は言わないでおこう。調子に乗るから
「そういえばさ、全然関係ない話なんだけど俺茶店でバイトの面接受けんだ」
「へー！Aくんなら受か「バイトだぁ？働くよりその辺の奴から借りたらいいじゃねーかヨ」こら三橋！」
「何そのクズの発想…そんなんだから悪魔とか言われんだぞ」
「それに返せないもの借りてどーすんだよ」
「返す当てくらいあるわい！お前らとはノーミソの出来が違うからな」
「常に100円しか持ってないくせに」
「いいか？まず佐川から必要な額を借りる、それを必要に応じて飯か遊びとかに使う。そんで佐川が返してくれと言ったらAから借りるわけだ」
「貸すわけねーだろ、お前に貸したら返ってこねーヨ！」
「ちゃんと返すって！Aがお金返してくれと言ったら今度は伊藤から借りる。そして伊藤が返せと言い出したら佐川から借りて渡す…この方法を使えば俺は一生金を払わんで済むわけだ！」
金を作り出す魔法の技術だー！と言いながら高笑いする三橋にドン引きの俺達
卑怯というかド屑というか…
「三橋に貸すときは利子つけよーね、伊藤くん」
「そうだな、三橋に貸す時はちゃんと利子つけて判子も貰わなきゃ一生返ってこないよ」
そもそもお金は人に貸してはいけませんって小学校の頃から言われてることだケド…
金を貸したら返ってこなくて自分が必要な時に金が足りず闇金なんかに捕まって、ぽっくりあの世に逝っちまう…なんて結末はごめんだ
「そろそろ面接行ってくる、じゃーね」
「応援してるよ」
面接なんて久しぶりだな、ちゃんと受かるだろうか…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2019年9月7日 1時
