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商店街のど真ん中で叫び出した今井を谷川と一緒に慰めつつ何とか歩き出そうとするが、カップルとすれ違うたびに絡もうとするため中々前に進めずにいた
「あーもー！今井さん、こうなったらナンパしましょうよ」
「なんぱ？どうして今から当てもなく海を漂流せねばならんのだ！」
ニヤニヤとしながら親父ギャグを繰り出す今井くんにすかさず突っ込む谷川くん
この数分で谷川くんのポジションがわかったような気がするぜ
「今井くんがモテねー理由それだろ…」
「そうですよ！そのギャグセンス！モテない理由その１！」
「その１ってどういう事だ！」
「声が一々デカイ、も理由の１つだな」
「お前らァ！その背丈アリンコみたいに縮めてやってもいいんだぜ」
「こっわ」
マジで人を殺めてしまいかねない程本気な今井くんの目に若干焦る俺たちは辺りを見回し程々のマブイ女を探す
俺も彼女欲しいのになんで今井くんのために探してるんだか…
「あっ今井さん！女子2人で歩いてますよ」
谷川くんの指差す先には軟高の制服を着た女子2人が仲良く登校しているしていた
男は連れていない
「おーめっちゃマブイじゃん、行けよ今井くん」
「お、おう…」
「あの2人ナンパしましょう！度胸決めて悲しい青春にさよならです！」
「今井くんが自信ないなら俺行くケド」
「そ、そんな事ない…俺は女さえいる所に行けばモテるってとこ見せてやる！」
少し緊張しているが、それでも堂々とした足取りで2人に近づき声をかけた今井くん
谷川君と顔を見合わせ、付いていこうとすると電柱の後ろまで引きずられ少し声を潜め耳打ちされる。
「Aさん、アンタは前に出ないでくださいね」
「あ？なんでだヨ」
「黙ってたら顔いいんで。今井さんから女子取らないでください」
「随分と献身的なんだね」
「今井さんにも幸せになってほしいんで」
「ふーん…でもあれじゃ無理じゃない？」
電柱の陰からこっそり盗み見た今井くんのナンパ
まるで漫画の冒頭で流れる様な自己紹介をツラツラと並べていた
血液型とか知らんし、ナイスガイなんて自分で言う奴居ないだろう…
慌てて陰から抜け出し今井くんの元へ向かう谷川くんに小さくエールを送る
さて、俺は学校に行こうかな
今井くん達に背を向け学校へ向かおうとした時目に入る目立つ髪型
「あーらら」
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作成日時：2019年9月7日 1時
