42話 ページ43
貴方サイド
咄嗟に瞳に浮かぶ三日月から目を離し、挨拶する。
「おはよう」
返事をして直ぐに三日月から距離を取り、そのまま審神者の席に腰を下ろす。
僕が急いで席にやって来たのに気付いた獅子王は不思議そうに首を傾げる。
「どうかしたのか？なんか急いでるみたいに見えたけど……」
「あー、お腹空いてて……」
なんて答えようか迷った挙句そう言えば、ぷっと獅子王は吹き出した。
「なんだよそれ。主もまだまだ子どもだな〜？」
からかうように笑われ、けれど獅子王の本来の笑顔に近づいている事に安堵する。
彼には、ずっとこんな風に笑っていてほしい。
そう願うのは己のためのエゴだと知りながら、見ないフリをした。
朝餉が終わると日課になっている合戦場の出陣に、太刀達を行かせた。
三日月と顔を合わせるのが気まずいという理由で。
けれど他の太刀の人たちは僕らのやり取りを知らないので、なんの疑いも持たず行ってくれた。
その中には一期や獅子王も含まれていたけど、まあ大丈夫かな。
彼らを見送った後、大広間に戻ると信濃達が百人一首で遊んでいた。
読手は石切丸。短刀達が中心になって札を取り合っている。
「あ、大将！一緒にやらない？」
信濃に笑顔で声を掛けられ、少し迷った。
僕が参加しても迷惑じゃないだろうかと考えてしまい、無意識に断っていた。
「ごめん、まだ仕事が残ってるから」
その答えを聞いた信濃は途端に落ち込んだ様子を見せる。
(うっ……)
そんな姿を見ると、罪悪感が生まれそうになる。
「大将……やらないの……？」
目をうるうるとさせて此方を見上げる信濃に、あんぐりと口を開ける。
(え？え？何この天使……！！)
写真撮りたい衝動に駆られながらも、それを必死に抑え込みながら信濃の頭を撫でる。
「仕事が終わったら遊ぼうね」
なるだけ笑顔になりながらそう言うと、信濃はぱあっと顔を輝かせ笑顔になった。
(天使の笑顔が……！)
そう思いながらなんとかその場から抜け出し部屋に戻る。
信濃の笑顔に心癒されながら襖へ手を掛けた時、嫌な予感がした。
開けてはいけない。ふとそう思った。
けれど、目の前の襖を開けてしまった。何かに導かれる様に。
部屋には黒い髪の背が高い男が立ち竦んでいた。
僕は彼を見て何者なのか気付き、ひゅっと息を呑んだ。
次の瞬間、視界は真っ赤に染まっていた。
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もこ(プロフ) - 望月海さん» すみません！男主だと思ってました。本当にすみません(_ _;) (6月28日 7時) (
レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
望月海(プロフ) - もこさん» ご意見の方は少し構成を考えさせていただきますね。 (6月27日 23時) (レス) id: 3c48936758 (このIDを非表示/違反報告)
望月海(プロフ) - もこさん» もこさん、感想ありがとうございます。せっかくのご感想なのですが、このお話は女主を設定としているので、もこさんの好む男主ではありません。作者が僕っ子好きなのですが、誤解を与えてしまったようなので訂正させていただきました。 (6月27日 23時) (レス) @page1 id: 3c48936758 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - コメント失礼します！私男主の愛され大好物なので嬉しいです！刀剣男士全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってください！出来たらなんですけど短刀たちにも恋愛的に愛されたいです()いきなりすみません (6月27日 17時) (レス) @page23 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
望月海(プロフ) - 匡さん» ありがとうございます♪早速書いてみます！ (2017年5月23日 23時) (レス) id: 546fdd6d80 (このIDを非表示/違反報告)
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