40話 ページ41
貴方サイド
考え込む僕を見て、三日月は呆れた様に言う。
「主は何故、自分の事となると鈍くなるのだ？」
と、言われましても……
君らの言葉に含まれる意図が複雑過ぎて汲み取れないだけだ。
もっと直接的な事を言ってくれれば良いが、いかんせん相手はほぼ爺さんと言っていい刀。
平安の世を生きた刀剣が自分の想いを曝け出す様な真似はしないだろう。
困った僕は三日月を見上げるが彼の瞳に浮かぶ三日月は冷たくて温度が灯っていない。
彼は本丸一僕を嫌っていた。だけど今は判らない。
気持ちが変わっているのか否かすら彼は僕に悟らせない。
「……そうか。主は不安だったのだな」
驚いて三日月を見ると、美しい顔が間近に迫っていた。
あ、と思う間もなく唇が重なる。
突然の事に息が止まったが、程なくして三日月の身体を突き飛ばし慌ててその場を走り去る。
審神者部屋に駆け込み誰も入って来れないように結界を施す。
ようやく落ち着いて座り込むと先程の光景が鮮明に思い出される。
ただのイタズラ？揶揄われた？それとも嫌がらせ？
三日月はそんなに僕を嫌っているのか。
これ以上考えると思考回路がショートしそうで今日は早めに寝ようと決意した。
三日月サイド
俺の主は実に可愛らしい人の子だ。
口付けをしただけであの様な反応を返すのだから、獅子王が羨ましく思えてしまうな。
もっと、俺達に溺れてしまえば良いものを。
さすれば主を苦しみから解放してやれるのだがな。
だが……
「本当に愛い主だ。お前もそう思うだろう、鶴丸」
振り返れば、先の一部始終を目撃していた鶴丸は呆れた表情を浮かべる。
「君は随分と意地が悪いな。俺に殺気まで向けて来たくせに」
「あれはお主が手を出したからだろう。主は誰の物でもないからな」
俺の言葉の意図に気付いた鶴丸は複雑そうな顔になる。
「だが、主は……」
鶴丸の言いたい事は分かる。獅子王の事だろう。
獅子王はこの本丸で最も壊れかかっていた。そんな獅子王を救ったのは主だった。
故に主が獅子王を放って置くなど有り得ない。
俺達がどんなに嫉妬しようとも。
「アレは、己の魅力に気付いて無いのだろうな」
「そうだな。主は鈍感だからな」
鶴丸も諦めているのか少々言葉が投げやりだ。
さて。そろそろ本気で今後の事を考えなくてはな。
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もこ(プロフ) - 望月海さん» すみません！男主だと思ってました。本当にすみません(_ _;) (6月28日 7時) (
レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
望月海(プロフ) - もこさん» ご意見の方は少し構成を考えさせていただきますね。 (6月27日 23時) (レス) id: 3c48936758 (このIDを非表示/違反報告)
望月海(プロフ) - もこさん» もこさん、感想ありがとうございます。せっかくのご感想なのですが、このお話は女主を設定としているので、もこさんの好む男主ではありません。作者が僕っ子好きなのですが、誤解を与えてしまったようなので訂正させていただきました。 (6月27日 23時) (レス) @page1 id: 3c48936758 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - コメント失礼します！私男主の愛され大好物なので嬉しいです！刀剣男士全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってください！出来たらなんですけど短刀たちにも恋愛的に愛されたいです()いきなりすみません (6月27日 17時) (レス) @page23 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
望月海(プロフ) - 匡さん» ありがとうございます♪早速書いてみます！ (2017年5月23日 23時) (レス) id: 546fdd6d80 (このIDを非表示/違反報告)
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