気付かない tr ページ4
※関西弁分からないので変かもです、すみません
tr視点
『ご、ごめん!私用事あるから先帰る!』
下駄箱で見かけた後ろ姿に声を掛けると雑な言い訳を残してそそくさと帰っていった。
最近はずっとこんな感じだ、理由は分からない。
もしかして俺の気持ちがバレた…?鈍感な彼女に限ってそんなことは無いと願いたい。
しかしそうなれば何で…。考え込むが分かる筈も無かった。明日問い詰めるしかなさそうだな。
翌日、HRが終わって直ぐに彼女のクラスへと駆け付ける。出てきた瞬間を見計らい逃げられないよう腕を掴む。
「ねえ、今日こそは一緒に帰ってよ。聞きたいことあるし」
そう告げれば躊躇っていたが観念したように俺の後ろを歩き出した。
中々本題を切り出すことが出来ず時間だけが過ぎて行く。Aも無言を貫き通していて沈黙の時間が続いた。
そろそろ家に着いてしまいそうなので勇気を振り絞り理由を問い出す。
「最近さ、俺のこと避けとるやん。何でか教えて欲しいんやけど。」
焦りのせいか普段は抑えている関西弁が口調に出てしまう。
俯いて答えてくれない君に不安を覚える。いきなり聞いたのはまずかったかもしれない、どうしよう。
『…わかん、ないの。たらこの顔見るとなんかドキドキして話せなくなっちゃって』
口を開き、拙く声に出した君はそう言っていた。
ん?ドキドキってそれはどういうことだ?
「ど、ドキドキしてるの?俺に?」
繰り返して聞けば君はうんと頷いた。もしかして所謂恋というのを俺にしてくれているってことなのか。
そう思った瞬間嬉しいという気持ちと同時に自分の気持ちにすら気付かない彼女の鈍感さに驚かされる。
これは期待してもいいよね、もう俺のもんでしょ
「A、それ恋じゃない?俺のこと好きになってくれてるの?」
顔を赤く染めて否定しようにも言葉が出ずにあたふたとする彼女を抱き締めた。
「俺も好き。ねえ、付き合おうよ」
この一言で俺らは友達という関係から恋人に変わった。ちゃんとAのこと大事にするからね。
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作者名:伯爵 x他1人 | 作者ホームページ:今のところはありません
作成日時:2020年5月21日 1時