常連客 gn ページ26
シックな雰囲気を纏う店内、ゆったりとしたBGMが流れるこのカフェは私の理想そのものでここで働けていることに誇りを持っている。
やってくる客も様々で偶にお話をするような人もいれば全く話さないような人もいる。
そんな中で1人特に印象に残っている常連客がいる。
今日もまた来たみたいだ。
「Aちゃんやっほー」
店に入るなりすぐに私の目の前のカウンター席へと座る、もはやいつも通りすぎてここは彼の特等席のようになってしまっている。
『いらっしゃいませ、げんぴょんさん』
私が挨拶を返せば満足気に笑い少し苦めなコーヒーと新作のスイーツを頼んだ。
早速作業に取りかかれば彼は携帯を取り出して暇を潰していた。静かに手を動かす姿は私に笑いかける子供っぽさは一つもなく大人な雰囲気だけが漂っている。
すらりと伸びた手足にまつげの長い伏し目、それだけ見ていればモテることは間違いないだろう。今だって奥にいる女子高生達が彼を見て頬を赤く染めている。
なぜ私が気に入られて話しかけてもらえているのかは分からない、別に美人なわけでもないし愛想も大して良くはないのだけれど…
そうやって考えるうちに無意識に彼のことを見てしまっていた。彼が顔を上げると目線が合う、しまったと思ったが遅かった。
「なーに見てんの?もしかして俺に見惚れた?」
ニヤニヤとしながら見つめられる。図星だったが素直には認めたくなくて呆れたように素っ気なく返した。
『そうですね、げんぴょんさんは黙っていれば綺麗だなと思いまして。』
「はぁ〜?俺別に話しててもカッコいいでしょ」
私の返答に不満げに口を尖らせているところを見ればカッコいいという言葉よりも可愛いが先に出ると思うが言葉には出さない。
『ふふ、そうですね。
はい、ご注文のコーヒーとスイーツです。』
彼は甘ったるいケーキを口にしながら溜息を吐いた。
「まじでAちゃんてどうやったら落とせるの…」
貴方の言葉を待ってるだけですよ、本当はもうとっくに落ちてます。
その気持ちは声には出さずただ誤魔化して笑った。
『さぁ?分かりませんね』
257人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「nmmn」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
伯爵(プロフ) - 蜂蜜飴さん» ただいまです!!!!!!! (2020年8月9日 16時) (レス) id: 3c3807f15d (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜飴(プロフ) - おかえりなさい!! (2020年8月9日 13時) (レス) id: b117f3a79e (このIDを非表示/違反報告)
伯爵(プロフ) - 多肉植物さん» 多肉植物さんただいまです!!感想すごく嬉しいです…頑張ってこれから更新していきます!! (2020年8月9日 12時) (レス) id: 3c3807f15d (このIDを非表示/違反報告)
伯爵(プロフ) - ソウのうどん屋さん» ただいまです!そう言ってもらえるとすごく嬉しいです! (2020年8月9日 12時) (レス) id: 3c3807f15d (このIDを非表示/違反報告)
多肉植物(プロフ) - おかえりなさいです、期間を空けていたのにお話が語彙力の塊すぎて本当すごかったです!更新は気が向いた時に更新してくださればそれでもう満たされます…!疲れない程度に更新頑張ってください (2020年8月9日 11時) (レス) id: c530965229 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:伯爵 x他1人 | 作者ホームページ:今のところはありません
作成日時:2020年5月21日 1時