《限界メンバー》彼らと過ごす日々2

操り人形　gn ページ12

“Aは将来立派な医者になるだろうな”

親から何度も言われてきた言葉。有名な医者の一人娘になればそんなこと言われるのも当たり前。

本当は医者になりたいなんて１mmも思ったことないんだけどね。

言われた通りに勉強していい子ぶってたら後戻り出来ないところまできてしまった。

所詮私は中身のない人形みたい。親に操られてのうのうと生きてる。

君が見れば馬鹿だろなんて笑うんだろうな、人の意見に左右されるような薄っぺらい奴は嫌いなんだっけ。

高校生くらいになってからは親しかった彼との距離は離れていった。

いや、私が離れただけだ。自分だけの信念を強く持った彼の隣に居るのはきっと私のような人間じゃない。

それに怖くなった。こんな弱虫な私なんて嫌われてしまうんじゃないかと。

そんな恐怖に苛まれながら私はいつも同じ場所へ行く。住宅街にぽつんと佇む一つの寂れた公園。

幼い頃ずっと彼といた思い出の場所

あの頃の自由な日々に戻りたくて辛くなればここに足が向くんだ。

キイキイと錆びた音を出しながらブランコに乗り下を向いていれば視界に誰かの足が映った。

顔を上げれば最後に見た時よりずっと大人っぽくなったげんぴょんが立っていた。

「やっぱりここにいた。伝えたい事があるから、探してたんだよね」

久しぶりに会うというのに自然と会話を続けられるのは彼のコミュ力なのか。

『あはは、ここ凄く落ち着くからね。
　 それで？伝えたい事って何？』

スラっと伸びた手足、細いが男らしい体付き。
何もかも成長していてあの頃のように話せなかった。

彼は私を置いて何処か遠くにいるように見えたが

「誰も邪魔しないような場所に俺達だけで行こう」

どうやらそこに私も連れて行ってくれるらしかった。

子供らしさが残る無邪気な笑みで私に向かって手を伸ばす。掴んで、というように。

「辛かったの全部知ってる。今まで助けられなくて本当にごめん。でも、もう大丈夫だよ。お疲れ様」

私が一番欲しかった言葉。大丈夫というたった一言で人生が報われたような気がした。

『私なんかを救ってくれてありがとう』

「なんかじゃないだろ、Aだからだよ」


夕暮れに小さな公園の中で1人の少女は救われた




すいません…自分でも最後何書いてるか分からなくなりました……
あと過激系出してみたいとか思ったんですが需要ありますかね

意地悪なのに　ar→←物知り　gt

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