堕天 gt ページ1
※人外パロ
no視点
誰もいない静かな教会に1人のシスターがいた。首から下げた十字架を大事に握りしめて祈りを捧げていた。
その時鳥にしては大きい羽音が響き風が巻き起こる。思わずシスターは目を瞑った。
恐る恐る目を開けば天使の様な羽を持っている1人の男が目の前に立っていた。
しかしシスターは絶望の表情を見せた。何故なら彼の羽は純白ではなく真っ黒に染まっていたから。
教会に舞い降りた1匹の堕天使はシスターを見ると嬉しそうにニヤニヤと笑った。
「お前神とか信じてんだ、可哀想だな」
シスターであること全てを否定するかのような言葉に彼女は何かを思う素振りもなく
『貴方の方が可哀想ですわ。神を信じないばかりに地より底へと落ちていくんですから』
と言い放った。しかし堕天使はそれでも神の存在を否定した。
「じゃあ何故まだこの世に飢餓がある?何故この世は公平にならない?神が役立たずな証拠だろ」
シスターは黙った、言い返す言葉を見つけられないのだろう。暫く考え込んでいたがやがて膝から崩れ落ちた。
『そんな…私は……何の、為に…』
信仰対象を失い全てが分からなくなる彼女に堕天使は手を差し伸べた。
「そんなあんなが簡単に救われる方法があるぜ。」
絶望の淵から救い出すようなその言葉に彼女は縋った。縋ってしまったと言うべきかもしれない。
『どうすればいいんですかっ…?』
苦しそうに懇願する彼女に満悦の笑みを浮かべながら堕天使は呟いた。
「あんたも俺と堕ちればいいんだよ」
シスターの返事を聞く前に彼女の身体を堕天使の黒い羽が覆う。彼の手で簡単に彼女は黒く染まったのだ。
町外れの教会の中には誰もいなくなっていた。
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伯爵(プロフ) - 蜂蜜飴さん» ただいまです!!!!!!! (2020年8月9日 16時) (レス) id: 3c3807f15d (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜飴(プロフ) - おかえりなさい!! (2020年8月9日 13時) (レス) id: b117f3a79e (このIDを非表示/違反報告)
伯爵(プロフ) - 多肉植物さん» 多肉植物さんただいまです!!感想すごく嬉しいです…頑張ってこれから更新していきます!! (2020年8月9日 12時) (レス) id: 3c3807f15d (このIDを非表示/違反報告)
伯爵(プロフ) - ソウのうどん屋さん» ただいまです!そう言ってもらえるとすごく嬉しいです! (2020年8月9日 12時) (レス) id: 3c3807f15d (このIDを非表示/違反報告)
多肉植物(プロフ) - おかえりなさいです、期間を空けていたのにお話が語彙力の塊すぎて本当すごかったです!更新は気が向いた時に更新してくださればそれでもう満たされます…!疲れない程度に更新頑張ってください (2020年8月9日 11時) (レス) id: c530965229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伯爵 x他1人 | 作者ホームページ:今のところはありません
作成日時:2020年5月21日 1時