【刀剣乱舞】来派のお色気刀剣女士 柒。

にひゃくろくじゅうきゅう。 ページ31

A 「国行……、何か言いたいことあるなら言った方が良いわよ。」

明石 「……自分なんかの言い分で、主はんや皆はんのお話を邪魔する訳にはいかへんからなぁ、」

A 「でも、このままじゃ……」

明石 「自分が我慢すればええ話やろ？ それ以前に、見習いに会わんとすればええ。」

A 「国行……、」





　国行の腕の中にいる蛍や、隣に座る国俊も、静かにそう言い放った国行を、心配そうな目で見ていた。

　なんとか、主さまや皆に国行の思いを伝えたい、知ってほしい……。朝餉の時間が終わり、皆が内番や出陣、遠征などに向かうため、大広間を出ていく。


　私は、主さまに国行の事を言ってみようと、蜂須賀さんと話している主さまに声を掛けようとした。
　けれど、





明石 「A、ええよ。」
明石 「ありがとな、自分のこと思ってくれたんやろ？」

A 「……うん。」

明石 「自分は、隣にAや国俊、蛍が居てくれたら、それだけで十分や。いくらけったくそ悪い思いしても、Aらがおってくれんなら、自分は大丈夫。」





　ぽんぽん、と優しく頭を撫でられて、手を繋がれた。本当に良いのかしら、でも、これ以上はただのお節介になってしまう……。複雑な気持ちを、私は部屋に持ち帰ってきてしまった。

　部屋には既に国俊や蛍が帰ってきていて、二人は今日は馬当番、私は厨当番で、国行には出陣の任務がある。





愛染 「今日馬当番に長谷部さん居んだよなぁ……」

蛍丸 「長谷部さんと一緒の時は開始十分前には集合しておかないと、お小言言われちゃうもんね〜」

愛染 「いや、いつもは優しんだけどよ〜？」

明石 「長谷部さんは真面目過ぎるんですわ、自分はよう合いまへん。」

A 「国行と長谷部くんは真反対だものね。」





　三人と話していると、少し気は軽くなった。国行の表情も、いつものやる気のなさそうな顔に戻る。けれど、その瞳は、何処か曇りがかったままだった。

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