にひゃくろくじゅうご。 ページ27
清光 「Aさん、きいてたの?」
A 「ごめんなさい、主さまにちょっと用事があってね、そうしたら、二人の争う声が聞こえてきてね。
その、最初らへんから聞いてたわ……。」
「ごめんなさい」ともう一度謝るAちゃん。
A 「ぁ、そうそう。清光くん、主さまは私たちのことをちゃんと考えてくれてるわよ。」
清光 「……何処が。Aさん、全部聞いてたんでしょ?」
A 「えぇ、聞いてたわ。」
ふわっ、と笑ったAちゃんは、むすっと頬を膨らませる清光の頭をぽんぽんと撫でながら、小さい子を宥めるように、優しく語りかけた。
A 「主さまはね、皆のことを考えていない訳じゃないのよ。ただ、主さまの皆には、見習いの女の子も入っているだけなの。私たち刀剣と、咲さんと、そして主さま自身が幸せに暮らすためにはどうしたらいいのか。ずーっと考えてるのよ。」
清光 「でも……、見習いがここに来たら、俺たち嫌だよ。」
A 「そうね。はっきり言うと、私はまだ怖いわ。でも、だからって何も動こうとしないのは違うじゃない?」
清光 「でもでも、それでまたAさんが傷付けられたら……」
A 「清光くんは、私のことを思って言ってくれたのよね。」
Aちゃんの言葉に、小さく「うん」と頷いた清光。清光にとって、Aちゃんは後輩だけれど、良きお姉さんのような存在でもある。大切な仲間がまた傷付けられることを、清光は何よりも恐れていたのだ。初期刀として、この本丸の皆を守らないと、そんな思いがあったのかもしれない。
A 「大好きな主さまにあんな事言うの、辛かったでしょう? 私の為に頑張ってくれたのね……、ありがとう。」
きゅっと清光を抱き寄せたAちゃん。清光はそれで吹っ切れたのか、わんわんと泣き出した。
清光 「おれ、この本丸の初期刀だからっ、皆を守んないとって思って……! あるじが俺たちのこと考えてないわけないのに、ひどいこと言っちゃった……!」
「嫌われちゃった……!」と泣きじゃくる清光に、俺もぶわっと涙が溢れた。
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まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A(プロフ) - 碓氷時雨さん» なんですって?! ごめんなさい即刻直します!!本当にありがとうございます!そしてすいません! (2020年2月8日 21時) (レス) id: 8464144616 (このIDを非表示/違反報告)
碓氷時雨(プロフ) - 「にひゃくろくじゅうに」の所で清光が清松になってますよ! (2020年2月8日 20時) (レス) id: d4ecd76fec (このIDを非表示/違反報告)
まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A(プロフ) - 愛が止まらない人さん» ありがとうございます!応援して頂けると本当に力になります!頑張りますね! (2020年1月13日 16時) (レス) id: 8464144616 (このIDを非表示/違反報告)
愛が止まらない人(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!!!頑張ってください!!!!! (2020年1月13日 10時) (レス) id: 9082f6abc2 (このIDを非表示/違反報告)
まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A(プロフ) - 絵里奈さん» ありがとうございます!受験も作品も、若いからこそ出せる熱量で頑張っていきます!今作品でも何卒宜しくお願いしますね! (2020年1月13日 8時) (レス) id: 8464144616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月12日 21時