にひゃくごじゅうよん。 ページ16
あの後、少しだけ落ち着いた私は、部屋に戻った。保護者としては情けないことなのだけれど、蛍や国俊に慰めてもらう事になってしまった。
夕餉の時間になって、蛍や国俊が「一緒に行こう」と言ってくれたけど、食欲も全然湧かないし、何より皆の楽しい食事の雰囲気を、私が原因で壊したくなかった。
二人が部屋を出て行ってすぐ、私も部屋を出た。主さまには来ない方が良いと言われた手入れ部屋に向かった。
手入れ部屋の扉を開けようとすると、手入れをしてくれている妖精な皆が、両手を広げて私が部屋に入るのを止めようとしていた。
A 「ごめんなさい、今はどうしても国行の傍にいたいの。重体だってのは分かるわ……さっきは取り乱しちゃったけど、もうしないから。皆に迷惑はかけないから……、お願い。」
必死にお願いすると、妖精の皆は不安そうな顔をしながらも、私を部屋の中に通してくれた。手入れ部屋の電気は付いていて、丁度国行が寝ているところに光が当たっている。
国行を見ると、酷い状態だってことが改めて分かった。
肩からお腹にかけてバッサリ斬られている。今は包帯で巻かれているけれど、その包帯も意味を為してない。
国行が眠っている寝台の近くにある椅子に座って、体の状態とは裏腹に、穏やかな顔をしていた。
A 「なんで、こんな怪我しちゃったのかしらね。油断してた訳じゃないだろうから、きっと、誰かを庇ったのね。」
あの時、国行と同じ部隊に配属されていた謙信くんが、凄い悲しそうな顔をしていた。遠征先で思ってもみなかった襲撃を受けて、その時反応できなかった彼を、身を挺して守ったのだと思う。
やるじゃない、国行。
返事は帰ってこないと知りながら、私は、スウ、スウと寝息を立てて眠る国行に言葉をかけた。
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まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A(プロフ) - 碓氷時雨さん» なんですって?! ごめんなさい即刻直します!!本当にありがとうございます!そしてすいません! (2020年2月8日 21時) (レス) id: 8464144616 (このIDを非表示/違反報告)
碓氷時雨(プロフ) - 「にひゃくろくじゅうに」の所で清光が清松になってますよ! (2020年2月8日 20時) (レス) id: d4ecd76fec (このIDを非表示/違反報告)
まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A(プロフ) - 愛が止まらない人さん» ありがとうございます!応援して頂けると本当に力になります!頑張りますね! (2020年1月13日 16時) (レス) id: 8464144616 (このIDを非表示/違反報告)
愛が止まらない人(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!!!頑張ってください!!!!! (2020年1月13日 10時) (レス) id: 9082f6abc2 (このIDを非表示/違反報告)
まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A(プロフ) - 絵里奈さん» ありがとうございます!受験も作品も、若いからこそ出せる熱量で頑張っていきます!今作品でも何卒宜しくお願いしますね! (2020年1月13日 8時) (レス) id: 8464144616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月12日 21時