36話 ページ38
貴『あ、あの...?』
屋上に来てからというもの、私の顔を見つめたまま一言も喋らないので、なんだか気恥ずかしくなって私から声をかけてしまった
?「あ!ごめんね、あんまり可愛かったからつい見とれちゃって」
貴『へ...?』
?「あ、俺の名前、アンドレアス・ベルナールって言うんだ!好きに呼んでもらって構わないから」
先輩はそう言って、ニッコリ笑いながら片手を差し出す。握手ってことかな...?
貴『あ、の、よろしく...お願いします』
ア「そんなかしこまんないでよ!俺たちこれから恋人同士なんだからさ!」
貴『.........はい?』
思わず自分の耳を疑う。今恋人と言った?え?私の聞き間違い?
と、私が頭にハテナを浮かべていると、先輩が私に近づいてくる。
なんとなく怖くなって後ずさると、フェンスに突き当たってしまった
ア「そんな怯えた顔しないでよ...。ね、いいでしょ?俺と恋人」
ガシャンと先輩がフェンスを両手で握る。これ、いわゆる壁ドンってやつ?いや壁じゃないからフェンスドン???
なんて場にそぐわない思考をぐるぐる回していると、先輩が顔を近づけてくる。
逃げようにも逃げ道がなく、私は顔を逸らし先輩と目が合わないようにする。と、ムッとしたような声が上から降り掛かる
ア「なんで逃げるの」
貴『わ、私...付き合ってる人がいるんです!だから...先輩の気持ちには答えられなくて...』
ア「付き合ってる人って、もしかして枢木スザクのこと?」
貴『!は、はい!』
スザクの名が出たことに若干驚きつつも、私は即座に首を縦に振って肯定する。この際ここから離れられればそれでいい
ア「ふーん。やっぱり付き合ってたんだ。...でもさ」
先輩の口が耳元に寄ってきて、吐息がかかるくらいの近さになり、思わずビクリと体を震わす
ア「その男、死んだらしいじゃん?」
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作者名:ぴー | 作成日時:2019年3月1日 2時