2話 ページ4
クラブハウスの一角にある私の部屋に着く頃には、私達はすっかり濡れていた。私はまだスザクの上着があったので被害が少なかったが、当の本人とルルーシュはぐっしょりと制服を濡らしていた。
ルルーシュに至っては入口に着いた途端倒れ込み、はぁはぁと酸素を求める魚のように口をパクパク動かしている
ちらりとスザクの方を盗み見ると、来ていたワイシャツを脱いで水を絞っているところだった。
背中についたしなやかな筋肉を水が伝うのを見て、私は自分の顔が真っ赤になっていくのを嫌という程感じてしまった
貴『ス、ススススザク!お風呂!お風呂先入ってきて!そんなに濡れてたら風邪引いちゃうから!』
思わず大声で怒鳴るようにスザクの背中に声をかけると同時にタオルを投げつける。と、スザクはくるりと振り返って華麗にタオルをキャッチし、いつもの笑顔でニコリと笑った
ス「ありがとうA。でも僕は後でいいから、先に入ってきな?ルルーシュの介抱もしてやらなきゃだしね」
貴『で、でも...そんなに濡れて...。ルルーシュの介抱なら私もできるよ?』
ス「...だーめ。Aだって濡れてるんだからね?Aが風邪ひいたら嫌だし...それに」
スザクが私に近寄ってきて、すっと腰に手を回す。
顔を寄せてきたスザクの熱い吐息が耳元にかかり、私はもう多分、傍から見たら林檎にも優る勢いで真っ赤になっていたと思う
ス「いつまでもそんな格好して...僕に襲われちゃっても知らないからね...?」
スザクの低い声に私は頭がショートしてしまい、スザクの腕が離れた途端、バスルームに猛ダッシュするしかなかった。あんなの反則。ずるい。色気やばい。
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作者名:ぴー | 作成日時:2019年3月1日 2時