12話 ページ14
スザクside
予想だにしていなかった。いや、悪い意味ではなく、期待していた以上の言葉が返ってきたことに。僕はAと抱き合いながらぼんやりとテレビ画面を眺めた。
Aは泣き疲れてしまったのか、既にすうすうと僕の腕の中で可愛らしい寝息を立てながら寝てしまっている
この映画が戦争を題材にしてることは知っていた。
ネットでも、リアルでよく出来ている。と評判だったからだ。Aがこれを見てどういう反応をするのか正直言って見てみたかった。だからこの映画を推した。Aが見るのを拒めばそれまでだったけど...
ス「いや...違うな」
違う。僕は知っていた。Aが断らないことを。でもそれを利用したばっかりに泣かせてしまった。
こんな酷い思いをさせてしまった。
君が悲しみの涙を流さないで済むように戦っているのに、僕が泣かせてどうするんだ。本当に愚かだ僕は。
「私が支える」なんて、本来僕が言うべき言葉を言わせてしまった。
でも、すごく嬉しかった。バカみたいだけど嬉しかったんだ。ありがとう。こんな僕を信頼して傍に置いてくれて...愛してくれて。
そっと腕の中で眠る彼女の額にキスをした。
くすぐったそうにふふふと笑うのを見て、改めて誓う。たとえどれだけ手を汚そうと、Aと争いのない世界を、明日を生きるために僕は止まらない
あーあ。とため息をひとつついてごろんと仰向けになり、Aを抱えていない方の手を伸ばす
ス「Aを泣かせたなんて知られたら、確実にシュナイゼル殿下に殺されるなぁ僕...」
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作者名:ぴー | 作成日時:2019年3月1日 2時