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雨の降る音が聞こえる。
さぁぁぁと静かな雨音以外は何も聞こえない。
その心を癒すような、静めるような音は世界中で生きている人間は私一人だけなんじゃないかという錯覚を起こす
しばらく寝返りを打っていたが、たまらず私は静かに上半身を寝ていたベットから起こし、隣で眠る愛おしい人の顔を眺めた
...枢木スザク
私の夫。大好きで大切な人。私の騎士。
幸せそうに眉を下げて眠る彼の顔を見ていると、幸せで胸がいっぱいになる。愛おしさが限界突破して心から溢れ出そうになる。私は世界に1人ではないのだと、実感させてくれる
私はそっと彼の頬にキスをして、ベットを降りた。
こんな眠れない雨の日には...と、なにをするか決まっていた私は、本棚へ行って一冊の本を取り出した。分厚いアルバムである。
ここにはたくさんの思い出が詰まっている。スザクと私は小さい頃から仲良しだったから、彼の写真も沢山ある。
私はそっとページを開いて、懐かしむように写真を撫でながら捲っていった。...と、1枚の写真が目に入る。アッシュフォード学園生徒会の皆で撮った写真だ。
貴『懐かしいな...』
入学式の写真、体育祭の写真、文化祭の写真、生徒会主催の謎祭りの写真、修学旅行の時の写真、卒業式の写真.....たくさんの思い出達がキラキラと輝いていた。
_私はパタンとアルバムを閉じ、目を閉じた。
思い出さずにはいられないのだ。ちょうど今夜みたいに静かな雨が降っていた、在りし日のことを
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作者名:ぴー | 作成日時:2019年3月1日 2時