【HQ】及川さんは一途らしい３ (ページ37)

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５日目、夜ページ37

４日目はいろんな人に気遣ってもらって申し訳なく思いながらも、そのおかげでなんの問題もなく過ごせた。
…まぁ、朝は早く起きちゃったから布団の中で本を読んでたら怒られはしたけど。
夜は自主練の手伝いはマネちゃんズから禁止令が出たため食堂のかたずけを引き受けて早々にお風呂に入って寝た。

そして５日目。
割と調子が戻ってきたものの、やはり暑さには弱い私は蓄積してきた疲労の方が襲う。

それはなれない合宿に来たやっちゃんも同じようで、少しダルそうだ。水分と塩分補給、大事。

谷地「第三体育館行くんですか？」

クロくん、光太郎くんらが自主練をしているのを見に行こうとするとやっちゃんに声をかけられる。
頷くと、気をつけてくださいねと優しい微笑みを向けてくれた。
…ちっちゃい子かわいい…なっちゃんとはまた違う可愛さ…

抑えきれなくなったその感情は私の体を動かし、彼女の頭を撫でさせていた。

『篠原復活でーす』

ひょこりと顔を出せばリエーフが駆け寄ってきた。
レシーブから逃げてきたのか、私を案じてくれているのかどちらかはわからないが。

灰羽「Aさん！
顔色は随分マシそうっすね。」

私の前に立った巨人はそういった。
…首が痛いからもう少し離れてもらってもいいだろうかという言葉を飲み込んで微笑み返す。

黒尾「おー。あんま無理すんなよ」

地面に置いてあるケースの中のスクイズボトルを投げてよこしたクロ君はあんまり浮かない顔をしている。
合宿経験多いらしいし、大人数で疲れている人をよく見てきたのだろう。

リエーフもまだ楽しさがまさっているっぽいけど、もうそろそろ疲れてきてるんだろうな。

落ちている荷物を邪魔にならない位置に片付けて、指をならすために一人壁に向かってトスをしていれば外から大きな声が聞こえてくる。

日向「月島と山口連れてきましたー！」

背中を押されてやってきた月島くんはなんだか嫌そうな顔をしているものの、でもやっぱり少し楽しそうでもあった。
男子高校生らしいところもあるじゃん。

クロ君にちょっかいをかけられる彼は冷たい目であしらいながらボールを２、３回バウンドさせた。

そしてもう一人の彼も烏野一年。
確か、最近はサーブに興味を持っているんだっけ。

月島「今日は、どう分かれますか？」

彼がそう言いだしたのを聞いた日向くんは珍しい、怖いものを見るような目線を向けていた。
　
　